「私は二重人格者ではなないよ」
韓国代表のパウロ・ベント監督はあまり笑わない。カリスマ性あふれる重厚なイメージの指導者だ。
無表情な顔をすると、怒ったように映りがちで印象も強い。カメラの前ではなおさらだ。
試合でゴールが決まっても大きく歓呼する姿を見せることはなく、審判に抗議する姿や激怒する場面がむしろ大衆の脳裏に焼き付いている。公式の記者会見の席でも、冗談交じりの質問に対して笑いで返すのではなく、淡々とした答えが返ってくる。
そんなベント監督の表情を和ませるキーワードは、“娘”だ。『スポーツソウル』との単独インタビューに応じたベント監督は、終始真剣な顔でサッカーについて語ったが、「あなたはどんな父親か」という質問を投げかけると、初めて微笑んだ。「親バカなのか」と尋ねると、余計に明るく笑うのだった。
「ひとつお伝えしたいことがある。私が違う姿を見せたからといって、二重人格者ではないよ。休みのとき、娘たちと時間を過ごすのがとても好きだ。今は2人とも独立して多くの時間を過ごすことができないのが残念だがね。先月は娘たちが韓国入りし、一緒にソウルにある遊園地に行ってきた」
「私の人生で一番大事にして重要に考えるのが、2人の娘だ。多くの父親たちがそうであるように娘たちを叱ったことも多かったが、彼女たちを育てながら私も変わった部分が多い。いい父親になろうと努力してきた。2人とも立派に成長してくれて感心している」
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休日になると、外で知人と会って気運を得る“外向型”の人もいれば、外出せず1人だけの時間を過ごすことでエネルギーが充電される“内向型”の人もいるが、ベント監督は後者に当たるという。