単純に年齢が多いという理由で引退を迫られる文化は、海外ではあまり見当たらない。韓国よりも競争がはるかに激しいリーグでも、実力さえあればベテランは良い待遇を受ける。
オ・スンファンは「選手たちも尊重されるように行動しなければならない。プロ野球選手としての品位を失うことなく、格式を持って行動することが海外リーグ選手の原則」と主張した。
彼は続けて、「日本やアメリカのブルペン捕手は、ボールだけを受ける。現場の補助要員もそれぞれ仕事が明確に決まっている。韓国ではブルペン捕手がバッティングボールも投げ、荷物も運ぶ。それなのに待遇はあまり良くない。遠征試合に行くときは、未だに選手たちが自分で荷物を移す。韓国にいるときは気付かなかったが、海外リーグを経験してみると不合理だという気がする」と話す。
フロントは10年経ってもフロント職を続けるが、現場の担当者はいつ更迭されるかわからない生活を送っている。球団と選手が上下関係になっており、お互いを意識するしかない構造だ。そんな構造を当然のことと受け止めている文化自体が残念でならない。
オ・スンファンは「選手一人ひとりのコンディション管理、ルーチン作りなど、試合に役立つものだけでなく、球団と選手が互いに尊重し合える方法を同僚たちに話してあげたい。韓国に復帰すれば私もベテランに入ると思うが、実力もなく口だけうるさいとなれば説得力を持てない。復帰後も安定した実力を見せれば認められるし、それでこそ言葉ひとつ、行動ひとつに説得力を持たせることができる」と述べた。
まだ実力があり、能力も証明されているので、その状態のまま韓国に戻り、後輩たちの意識改革に取り掛かりたいというわけだ。
オ・スンファンは、「私にはいつも疑問符が付いて回った。サムスンに入団するときも“あの子は体が硬くて投球フォームもおかしいのに負傷なしにプレーできるの?”という言葉を聞いた。日本に進出するときも“精密な日本野球に速球だけで通用するのか”というレッテルがついた。アメリカに行くときも“体格も小さいし150kmのボールを簡単に打つような舞台で通用するのか”と疑問符が付いてきた。それを解消するために、本当に激しく、切実な思いで練習したし、結果で証明した。そのおかげでいろいろな記録もついてきて、誇りを持っている」と述べた。
一度も自分を“特別な選手”と思ったことがないというオ・スンファンは、「今年の冬にKBOリーグを見て、後輩たちが自ら尊重される権利を放棄しているように見えたことがもどかしかった。今シーズンをどのように締めくくれるかはわからないが、堂々と韓国に復帰するためには結果を出す必要がある。昨シーズンよりも良い成績を残して、シーズン後の進退を決める」と強調した。
オ・スンファンはアメリカにいるときも、トップクラスの選手だけでなく、メジャーリーグ昇格の機会をなかなか掴めない多くの若い選手との対話を通じて、多くのことを学んだ。
彼は「トップ選手だけに学ぶべきことがあるわけではない。若い後輩からも学ぶことは多い。若い選手は、ただ機会がなくて、才能を発揮できていないだけだ。KBOリーグに戻っても、海外で経験した会話の重要性を実践すると思う」と笑った。
もしKBOリーグに戻るとなると、72試合の出場停止状態から始まる。オ・スンファンは「関係ない」と言い放った。
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“石仏”が躍動感あふれる表情を持ち始めた。