“韓国人トップリーガー”神戸製鋼チャン・ソクファンが語る「日韓ラグビーの違い」とは?

2020年10月01日 スポーツ一般 #ラグビー
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日本中を熱気に包んだラグビーW杯日本大会から早1年。当時は全国各地のスタジアムで激戦が繰り広げられ、史上初めて決勝トーナメントに進出した日本代表には多くの称賛が寄せられた。

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ワールドカップが終わってからも日本国内におけるラグビーの熱気は続いた。大会後行われた2020シーズンのトップリーグは、史上最多観客数3万7050人を記録した試合も生まれるなど、過去にない盛り上がりを見せた。

そんなトップリーグで、チームのために献身的な活躍を続ける一人の韓国人選手がいる。神戸製鋼コベルコスティーラーズのチャン・ソクファンだ。

1991年11月27日生まれのチャン・ソクファンは、忠北高校→延世大学→尚武(国軍体育部隊)を経て2016-2017シーズンから神戸製鋼でプレー。193cm118kgという巨体ながら優れたワークレート(仕事量)でチームの攻守を支え、2020シーズンでは新型コロナウイルス感染症の影響で今年3月に中止が発表されるまで、全6試合中5試合でフル出場を果たした。

そんな彼は今、母国・韓国で来るべき新シーズンに向けて準備を進めているという。4月中旬から韓国に戻って個人練習を続けるチャン・ソクファンが、オンライン取材でその胸中を語ってくれた。

(写真提供=神戸製鋼コベルコスティーラーズ)チャン・ソクファン(写真中央)

チャン・ソクファンとラグビーの出会い

「早くラグビーがしたくてたまりません」。チャン・ソクファンは明るい表情でそう切り出した。

そもそも、チャン・ソクファンがラグビーを始めたのは中学3年生の頃。当時、187cm110kgと中学生離れした体格に注目したコーチが、彼をラグビーの世界に誘ったという。

「ラグビーはワイルドなスポーツですし、男としてとてもカッコいいスポーツだと感じ、やってみたいと思ったんです」

コーチに勧められてチャン・ソクファンが最初に務めたのはプロップ。スクラムの最前列で、相手フォワードと直接組み合うポジションだ。日本代表でいえば、“笑わない男”で人気を博した稲垣啓太や、韓国出身の具智元が挙げられる。

その後、チャン・ソクファンは高校で現在の主戦場であるロックにポジションを移している。ロックとは、チームで最も身長の高い選手が選ばれることが多く、攻守で激しいプレーが求められるポジションだ。

そして、大学卒業後、兵役のため国軍体育部隊の尚武に所属していた2015年に15人制韓国代表に招集され、「アジアラグビーチャンピオンシップ」で日本代表とも対戦。同年は7人制代表にも選ばれ、2016年リオ五輪予選に出場するなど国際大会も経験した。

これらの活躍から、当時は複数のトップリーグチームがチャン・ソクファンの獲得に動いたという。そのなかで本人が入団を決めたのが、かつて1989年から1995年にかけて日本選手権7連覇を成し遂げた日本ラグビー界の名門チーム、神戸製鋼だった。

日本と韓国、ラグビー環境の差を痛感

念願の日本進出が叶ったチャン・ソクファンは、来日して早々に日韓ラグビーの環境面の違いに驚かされた。その背景には、韓国でラグビーが“マイナースポーツ”の一つに分類されている現状があるといっていい。

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