そして、去る1月7日、新シーズンに備えた1次冬季キャンプ地であるタイのチェンマイ行きの飛行機に乗る前、仁川国際空港で久しく取材陣の前に姿を現したキム監督は、この一言ですべての覚悟を伝えた。
「シーズンが終わった後、申し訳ない気持ちと失望感で外に出ることができなかった」と明かしたキム監督は、Kリーグ優勝への再挑戦という当面の課題よりも、“打倒全北”という具体的な課題を示した。
蔚山現代には、元ガンバ大阪FWイ・グノ(35)や元アビスパ福岡でU-23アジア選手権MVPのMFウォン・ドゥジェ(22)、元鹿島アントラーズDFチョン・スンヒョン(25)、元ドルトムントDFパク・チュホ(33)といった強力な面々がすでにそろっている。
今シーズンはそこに、2018年ロシアW杯での好セーブで注目を集めた韓国代表GKチョ・ヒョヌ(28)や、プレミアリーグやブンデスリーガで活躍し、11年ぶりKリーグ復帰を果たした韓国代表MFイ・チョンヨン(31)といったビッグネームを補強。
そして前線には、昨シーズンの得点ランキング2位に入ったブラジル人FWジュニオール・ネグラン(33)のパートナーとして、ノルウェー代表FWビヨルン・ヨハンセン(28)を獲得した。
これらの理由もやはり、“全北狩り”にある。
キム監督は「昨シーズンは全北現代よりも勝利数は多かったが、“多得点”で負けた」と悔しさをあらわにすると、「今シーズンは多得点と勝ち点数のすべてで上回りたい」と強調した。
2017シーズンからチームを率いるキム監督は、いつも勝負所で全北現代の壁に阻まれ、涙をのまなければならなかった。
昨シーズンの衝撃的な逆転負けによって、一部のファンから辞任の圧力も受けたキム監督。2020シーズンは内容と結果の両方をつかみ取らなければならない“指導者キャリア”最大の挑戦に直面している。
成功への近道はただ一つ。“現代家ライバル”の全北現代を叩きのめすことだ。
「結者解之(キョルジャヘジ)」とは、“自分が起こした問題や過ちは自分で解決しなければならないこと”を意味する韓国の四字熟語である。
FCソウルに今シーズン求められるのは、成績よりも背を向けたファンの心を取り戻すことだ。