1999年と2002年に同名のアルバムも発表したことがあるYGエンターテインメントは「YG Family」、JYPエンターテインメントは「JYP Nation」、CUBEエンターテインメントは「UNITED CUBE」と題した所属アーティスト総出のコンサートも開いている。
SMエンターテインメントも「SMTOWN LIVE」を定期的に行っている。
そんななかで、あえて「SuperM」という新ユニットを結成したSMエンターテインメント。そのメンバー選定は、SMエンタの創始者イ・スマン会長が直々に行ったというのだから、かなりの本気度が伝わってくる。
卓越した音楽プロデューサーでもあるイ・スマン会長は1989年にSMエンタを立ち上げて以来、1996年に「H.O.T」、1997年に「S.E.E」、1998年に「SHINHWA」など韓国の音楽史に残る数々のグル―プを世に送り出してきた。
日本でも知名度の高いBoAを発掘したのも、イ・スマン会長だ。
その後に続く「東方神起」「SUPER JUNIOR」「少女時代」「SHINee」「f(x)」「EXO」「NCT 127」といったSMエンタの繁栄は、イ・スマン会長なしでは語れない。
そのイ・スマン会長が今回は統括プロデューサーの立場でSuperMの立ち上げに携わり、前述したロサンゼルスでのプレミアイベントにも参席したというのだから、「いよいよK-POPの巨人SMがグローバル市場攻略」という印象だ。
実際、SuperMの当面の照準はアメリカに絞られている。
10月4日にリリースしたミニアムバム『SuperM』を引っ提げて、11月11日のテキサスを皮切りに、シカゴ、ニューヨークでライブを行い、来年はロサンゼルス、シアトル、カナダ・バンクーバーといった北米主要都市を回る。
シカゴではユナイテッド・センター、ニューヨークではマディソンスクエア・ガーデン、ロサンゼルスではザ・フォーラムと、いずれも名高いアリーナでステージ・パフォーマンスを披露する予定だというのだから、期待も高まるばかりだ。
近年、K-POPのグローバル展開の成功例であり先駆者とされてきたのは防弾少年団(BTS)で、SMエンタはやや遅れをとった感もあったが、SuperMで巻き返しを図り、さらにその先を行こうという狙いなのか。
いずれにしても“K-POP界のアベンジャーズ”といわれるSuperMの活動には、今後も熱い視線が送られそうだ。
(文=慎 武宏)