2000年代の開始とともに、日本に沸き起こった韓流ブーム。ドラマで火が付いた人気はやがてK-POP人気へとつながり、今では10代たちも熱狂する“第3次韓流ブーム”が起きているが、気になるのはかつて人気だった“あの人”たちのその後だ。
彼ら彼女らは今、どうしているのだろうか。
シリーズでお届けする意欲企画。今回は韓流時代劇の名作『宮廷女官チャングムの誓い』で主人公チャングムを演じ、日本でも一躍、人気者になった女優イ・ヨンエのその後を紹介する。
韓国では視聴率50%を超える大ヒットを飛ばし、日本でも2004年にNHKの総合チャンネルで放映された韓流時代劇ドラマ『宮廷女官 チャングムの誓い』。その主演女優イ・ヨンエは当時、日本で“韓国の吉永小百合”とも称されたが、もともと韓国では “国民的女優”だった。
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14歳から雑誌モデルを始め、大学2年生だった1990年にチョコレートのCMモデルとして芸能活動を始めたイ・ヨンエ。透明感のある美しい顔から化粧品のCMモデルを長らく務め、そのCMのキャッチコピーだった“酸素のような女性”がイ・ヨンエのキャッチフレーズだった。
ただ、1993年のドラマ『お宅の夫はいかがですか』で女優デビューを飾るも、当初は“化粧品モデル”のイメージが強く、演技力に対する評価はイマイチだった。
そんな彼女が2000年にパク・チャヌク監督作『JSA』で熱演を披露し、注目の女優として浮上。続く映画『春の日は過ぎゆく』(2001年)では年下の男性をふりまわす女性を好演し、新境地を披露した。
そんななかで出演したのが『チャングム』だった。イ・ヨンエは言っている。
「『春の日は過ぎ行く』を撮り終えてから2年のブランクがありましたし、本格的な時代劇は初めて。それも全56話(日本では54話)という大作を演じきれるか不安でした。
さまざまな先輩方に相談したところ、“やってみろ”といわれて出演を決めましたが、今、振り返ってみると、私はチャングムというキャラクターに恵まれて幸運だったと思います。
ドラマや映画の撮影に入ると、自分が任されたキャラクターに似てくるのですが、『チャングム』に出演したことで、私の性格もとても明るくなったような気もします。普段の私は静かでおとなしい性格なのですが、チャングムのように明快でたくましくなりました(笑)」
ただ、『チャングム』の撮影は決して楽ではなかったらしい。クランクイン前は役作りのために宮廷料理研究院で10日間のスパルタ教育を受け、深夜にまで及ぶことが日常茶飯事だった撮影中はあまりの辛さで、「ひとり車の中で泣いた」こともあったという。
いずれにしても、そんな苦労を重ねた『チャングム』の大ヒットで韓国はもちろん、日本でも知られるようになったイ・ヨンエ。
2005年には再びパク・チャヌク監督とコンビを組み、映画『親切なクムジャさん』で復讐に燃える女性を見事に演じて、女優として新たなステージへ足を踏み入れた。
しかし、同作を最後に、作品活動を休業してしまう。