「JYPの全職員は、女性ホステスがいるお店には出入禁止となっている。(接待禁止によって)会社がつぶれても構わないので、女性ホステスが出てくる店に足を踏み入れた瞬間、クビになる覚悟をしろ、と厳重に注意している」
これは、2013年に放送された某ドキュメンタリー番組で、JYPエンターテインメント(以下、JYP)を率いるプロデューサー、パク・ジニョンが語った言葉だ。
最近、YGエンターテインメント(以下、YG)のヤン・ヒョンソク代表が性接待斡旋疑惑に包まれている。
(関連記事:YG出身アーティストによる“接待文化”の暴露が再注目される「闇の席にうんざり」)
5月27日に放送された報道番組『ストレート』(MBC)で、2014年にヤン代表が東南アジアの資産家に対して行ったという、性接待の疑惑を取り上げたのだ。当時、その場にいた女性25人の中には、風俗で働く女性も10人ほどいたという。
放送後、YG側は「事実無根」と報道内容を否定しているが、世間からは疑いの目が向けられている状況だ。
それもあってか、K-POP界ではアーティストの人間性・品性を重視するJYPの人材育成法が再び注目を集めている。
これまでYGは「アーティストの実力・人気」を、JYPは「アーティストの人間性」を優先することで知られていたのだが、ここ数年で「#Me Too」「V.Iスキャンダル」「学校暴力」といった数々の問題が芸能界を揺るがすにつれ、時代にマッチしているのは「JYPの育成法」という雰囲気ができたのだ。
2015年には、オーディション番組『SIXTEEN』に出演したJYPのパク・ジニョンが、自社の練習生たちに「言葉に気をつけ、スタッフへの感謝の気持ちを忘れずに」と指導し、JYPの人材育成の哲学をうかがわせた。
デビュー前の練習生にも品性教育を行うJYPでは、いくらスター性やポテンシャルが高くても品性やプライベートに問題があれば躊躇なく契約を解除する。
最近『PRODUCE X 101』に出演していたJYPの練習生ユン・ソビンの素行不良な過去が話題になると、「会社の方針にそぐわない」との理由で彼との契約を直ちに解除したことも、それを物語っている。
JYPでは練習生の教育は新人開発チームが、アーティストの管理・監督は該当アーティストの本部が担当するなど、細分化された運営を行っているという。品性や性教育、歴史、常識、タレントとしての姿勢とマインドなどを独自のカリキュラムで教育することでも有名だ。
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