『冬ソナ』韓流ブームから15年…「韓国ドラマ」の今とその“チカラ”とは?【日本の中の韓流、15年目の現在地】

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「日本では韓国ドラマを“習慣としての視聴”が叶います。BS局を中心に、毎日韓国ドラマが放送されているのです。朝9時になったらこのチャンネル、12時になったらこのチャンネルと、視聴習慣がついている。一日中、韓国ドラマばかり観る年配の方がたくさんいるくらいです。さらにコアな人たちは、有料チャンネルを利用します。そこに加入して、最新のドラマを見るわけです。

最後に“ファンミーティング”。日本にはドラマの主演俳優と会えるファンミーティングという文化がありません。でも韓国ドラマは大きい作品から小さい作品まで、主演俳優たちが日本に来て、ファンと触れ合う機会がたくさんある。画面越しにしか接することができない憧れの俳優を間近で見る体験をしたら、ますますのめり込むでしょう」

『雲が描いた月明かり』『ボーイフレンド』などで人気絶頂のパク・ボゴムも2月に日本でファンミーティングをしていたが、トップスターと身近に接する機会があることは、ファンには非常にうれしいことだろう。

こういった要素が複合的につながっているため、韓国ドラマが日本でブームを起こし、今でも人気といえるのだ。

パク・ボゴム

今やブームではなく、完全に日本のエンターテイメントのひとつの「ジャンル」として定着した韓国ドラマだが、まったく課題がないわけではない。

日本では韓国ドラマ視聴者の年齢層が、それほど広がりを見せていないのだ。日本の若者はK-POPは好むが、韓国ドラマは「お母さん世代が観るもの」と感じているそうで、確固たるジャンルとして定着しているがゆえに視聴者層も固定化しているのだ。

そして、そんな視聴者たちが望むのは、『冬のソナタ』のような“古典的な韓国ドラマ”。そこに現在韓国で制作されているドラマとのギャップが生じている。

「最近の韓国ドラマはラブがない、ジャンルモノ、職業モノの作品が増えています。それが既存の日本の韓ドラファンにはなかなか響きません。それは日本のテレビ局も同じで、“もっと胸がキュンキュンするような作品はないの?”と。私も何度かジャンルモノにチャレンジしているのですが、難しいところです」

また、他の韓流コンテンツに比べて、政治的な影響を受けやすいのも韓国ドラマならではの課題かもしれない。日本のK-POPファンは政治とコンテンツを完全に切り分けているが、ドラマファンは若干違う。

「いくらエンタメといえども影響はあります。日韓関係が悪化すれば、韓国ドラマに対しての“しんどさ”を持つ人が出てきます。年配の方々だからか、政治的なことには敏感です。日本のテレビ局にも、“なぜ韓国ドラマを流すのか”といったクレームが来るかもしれません。最近はあまりにも日韓関係が悪いので、なんとか改善されてほしいですね」

『冬のソナタ』から15年、ブームを超え、日本でひとつのジャンルとして確立された韓国ドラマ。今後いくつかの課題を解決して、その立ち位置をさらに磐石なものにするのか注目してみたい。

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