『冬ソナ』韓流ブームから15年…「韓国ドラマ」の今とその“チカラ”とは?【日本の中の韓流、15年目の現在地】

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2004~2006年頃だ。それから 『宮(クン)~Love in palace~』『コーヒープリンス1号店』『花より男子~Boys Over Flowers』といったラブコメも日本に上陸した。

「女性が夢中になれるドラマですよね。特に2010年に日本で放送された『美男ですね』は、日本人男性が絶対に言わないセリフと、ツンデレ・キャラをチャン・グンソクが見事に演じて、大きな話題になりました。それは日本人女性が初めて知る男性像であり、“こんな男性、見たことがない”という衝撃を与え、“胸キュン”を楽しみたい30代女性にまで韓国ドラマが浸透したんです。

また最近は、軍人や医者、司祭といった職業ジャンルモノが増えた 。これまでのように“オッパ”が登場しない韓国ドラマも日本に入っていますよ」

日本で韓国ドラマの需要が高まるなか、版権料も上昇したという。成七龍さんは「私が輸入を始めた当時と比べると、5~10倍に上がっています。ラブコメや時代劇の場合、10倍以上という作品もあります」と話す。

(画像=KBS)『冬のソナタ』

『冬のソナタ』から15年経った現在、日本における韓国ドラマは「ブーム」ではなく、ひとつの「ジャンル」として定着したといえるだろう。日本では以前からアメリカのドラマなどが「海外ドラマ」というジャンルを形成していたが、韓ドラはその「海外ドラマ」枠に含まれず、独自のジャンル「韓国ドラマ」と分けられている。

テレビではBS局を中心に、毎日15タイトル前後の韓国ドラマが放送されており、一日中無料で韓国ドラマに接することができる。有料のCSチャンネルでは、韓国専門チャンネルや韓国ドラマをメインとしたチャンネルが10局近くある。

「特に有料のCSチャンネルにとって、韓国ドラマはなくてはならないジャンル。もし韓国ドラマがなくなったら、“何で番組表を埋めればいいの?”と困ってしまうと思います。そのくらい視聴者を魅了して取り込める代わりのものがない。その枠にアメリカのドラマを入れても、中国ドラマでは弱いのかもしれませんね」

それにしても、なぜ韓国ドラマはなぜ日本で長く愛されているのか。成七龍さんは、韓ドラが日本で愛される理由を大きく6つに分析する。

「まずは“少女マンガのような世界観”ですね。ここまで悲劇のヒロイン、王子様の登場、明確な悪役といった、コテコテのドラマは日本にありませんでした。それが新鮮で、自分の叶えたかった世界が広がっているわけです。

次に“先が読めない展開”。韓国ドラマは毎話最後の5分で展開が変わるため、続きが読めず、気になる。時代劇に関していえば、“大河ドラマのような重厚感”が日本のファンに支持されています。日本では大河ドラマが年に1作品しか作られませんが、韓国には何作品もあるため、いろいろと楽しめるのです」

実際に韓国では時代劇ドラマが次々と作られており、ヨ・ジングやチョ・ジョンソクら人気俳優が“韓流時代劇ブーム”を導いているという。

(写真提供=tvN)『王になった男』

「魅力的な“サントラの存在”も重要。韓国ドラマの挿入歌は、単体として聴きたいと思える歌ばかり。映像と音楽が相まって、ドラマのシーンが五感に刷り込まれ、思い入れも強くなります」

日韓関係の影響も「ないとはいえない」

ここまでをドラマ自体が持つ内的な理由とするならば、残る2つは外的な理由といえるかもしれない。

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