古家正亨さんが語るK-POPの過去・現在・未来【日本の中の韓流、15年目の現在地】

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「これからはK-POP、J-POP、C-POPという国境の区別なく、アジアというひとつの枠組みの中でコンテンツだけで勝負することができる時代が来るんじゃないかと思う。

最近、日本のアイドル志望生たちがこぞって韓国に渡る現象がそれもよく示しているが、彼らに話を聞くと、実は彼らは単純に韓国に憧れているのではなく、韓国を起点に世界に羽ばたいていける可能性を信じているような気がした」

そのような変化の中で、懸念される部分もなくはない。

BTS

かつてはドラマを通じて韓国に関心を持った日本人たちが韓国を訪れ、ドラマの中の韓国文化を体験し、それを再び日本に紹介するといった、いわゆる韓国広報大使を担っていたといっても過言ではなかった。

しかし、最近の若い世代の“韓国愛”は、以前とは少し異なる様子だというのが古家さんの説明だ。

「大学生たちに韓国文化を教える立場からすれば、最近の若い世代は韓国に対する知識がほとんどない。韓国語を読んだり話したりする能力は昔の世代よりも優れているが、韓国の政治や歴史、伝統文化を知ろうとする人はとても少ない。

最近の若い世代が楽しむ韓国旅行というのは芸能事務所を訪ねたり、アイドルグッズを買ったり、屋台の食べ物を食べることだが、韓国の音楽を聴いて韓国という国についてもっと詳しく知りたかった私とは真逆だ。

初期の韓流ブームを引っ張ってきた中高年層が最近の政治的問題で、韓国と距離を置くようになったことと対比される部分でもある。

若いK-POPファンは文化と政治は関係ないというが、だからこそ時間が経つにつれ、いろんな方面で悪影響が出るんじゃないかという心配がある。

極端にいえば、彼らがK-POPに興味を失った瞬間、大変なことが起きるかもしれない。今からK-POPを理解している日本の人々を中心に“やっぱり韓国がいい”と感じれるような環境を作っていかなければならない」

そのような危機感の中で、古家さんが期待をかけているのは、韓流を楽しんでいる今の若年層の意識の変化と、自分が身を置いているマスメディアの役割である。

彼は「興味のある情報だけを選んで見ることができるインターネットとは違って、マスメディアは不特定多数に新しい情報を届けられるという可能性をまだ持っている」と、今後もさまざまな活動を通じて韓国と日本がお互いの価値観を理解し合えるために役立ちたいという。

また、最近活発になった日韓合作プロジェクトについては、「韓国と日本が一緒にビジネスを展開するなかで、それぞれ大きな財産を得ている。日本は韓国の瞬発力とインターネットを活用するノウハウを学び、韓国は日本の長期的な視野を吸収して早い結果だけを求めるのではなくなればいいと思う」と、期待感を表すと同時に「そのような共同プロジェクトを通じてエンターテイメント市場に中国が合流する前まで韓国と日本両国が先に主導権を握っておく必要がある」と、呼びかけた。

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