さまざまな相乗効果は多様なコラボレーションを生み出すため、俳優のみ所属する他のプロダクションとの差別化が可能だ。所属タレントに対して幅広い可能性とチャンスを提供することができるという点も、大きな強みとなる。
演技と音楽、2つの分野のノウハウを生かしたマーケティングが可能であるため、多彩な才能を持つアーティストにとっては特に絶好の環境といえるだろう。
さらに、JYPエンターテインメントは海外市場にも強いプロダクションだ。
TWICEがアジア各地で大きな人気を得ているように、日本、中国、タイといったアジア市場で所属タレントの活躍の場を見出すことができる。また、ハリウッドの制作会社とも絶えずコンタクトを取り、自社所属の俳優たちにオーディションの場を提供している。
多彩なマーケティングスキルで他社を圧倒するJYPエンターテインメントだが、課題がないわけではない。
大規模な俳優専門プロダクションと違ってベテラン俳優がいないことに加え、JYPエンターテインメントを土台に成長してきた中心的な俳優たちが、続々と専属契約を終えて新たな道を選択している。
しかし、JYPエンターテインメントの関係者は“新人教育こそ価値がある”とし、今後の方針についてこう話している。
「新人の発掘、育成には長い時間を要するが、それだけの価値がある。シン・イェウン、キム・ドンヒといった主役級新人たちの活躍を見れば、これまでの努力が報われ始めていると感じる。JYPエンターテインメントは今後も、新人の育成や既存俳優の成長のために多方面に飛び回る予定だ」
スクリーンやお茶の間で脚光を浴びる“JYP俳優”たち。その影には、所属タレントの成長に対して努力を惜しまない“JYPの情熱”があった。