K-POP業界で「3大事務所」と言われるSMエンターテインメント(以下、SM)、YGエンターテインメント(以下、YG)、JYPエンターテインメント(以下、JYP)。
ところが、韓国の音楽業界とK-POPを率いた3大事務所が、最近「4大事務所」に再編されつつある。
昨年、時価総額1兆ウォン(約1000億円)を突破したJYPはSMとの“2強”体制を固めた。一方でYGは相次ぐ所属アーティストのトラブルで自ら離脱する格好である。
本格的な音楽事業に乗り出したCJ ENMも今や音楽業界を掌握するほど成長しており、Big Hitエンターテインメント(以下、Big Hit)はBTSと共に著しい成長を遂げ、“4強”として新たに加わることとなった。
最近V.Iスキャンダルで株価が激しく動いているYGは、実は以前から土台が揺れていた。
BIGBANGのワールドツアーや日本ドームツアー、そしてファンミーティングなどで高い売上および営業利益を誇っていたが、BIGBANGメンバーたちの入隊をきっかけに落ちてきている。
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売上のほとんどを占めていたBIGBANGの空席は大きく、現在は外部投資や他の事業などで突破を試みているも、アーティスト中心の売上構造を変えるのは容易ではなさそうだ。
実際に、YGの2018年の株価は5月9日の2万6700ウォン(約2670円)から2019年1月7日の5万800ウォン(約5080円)と2倍ほど上昇したが、内部状況はあまり良くなかった。
昨年YGの連結基準売上は2858億4634万ウォン(約285億円)、営業利益は94億8407万ウォン(約9億円)と推定されるが、2017年に記録した売上3498億6073万ウォン(約349億円)、営業利益251億9782万ウォン(約25億円)に比べると大きくダウンした。
何よりも、今後の成長動力が見えないというのが弱点として挙がっている。
BIGBANGの後にデビューしたWINNERとiKONが知名度を高めたとはいえ、まだワールドツアーやドームツアーを開催するほどの人気を得ておらず、BLACKPINKも売上を補うにはまだ力不足のようだ。
それに、BIGBANGのメンバーたちが兵役を終えるとしても、V.IスキャンダルやT.O.Pの薬物問題ですぐに活動を再開するのは難しく、売上も期待できない状況だ。
CJ ENMは、マネージメント事業を行わない代わりに持分投資の方法でレーベルを運営、影響力を徐々に広げた。
Jellyfishエンターテインメント、Stone Musicエンターテインメント、SWINGエンターテインメントなど、多数の事務所とレーベルを傘下に入れ、音楽業界の大物と化している。
最近はBig Hitと手を組んで合作レーベル「ビリーフラボ」(Belif Lab)を設立。“ポストBTS”となるボーイズグループ育成を行う予定だ。