韓国ドラマは最近、 “短く太く”がトレンドになりつつある。
5G時代が広がっていきながら、世の中のいたるところで高速化が進んでいる。その流れは文化コンテンツにも影響を及ぼし、短時間で消費することができる20~30分のショートドラマが登場しており、今では話数自体が少なく、ドラマ放送期間の短い作品が増加している。
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これまで韓国ドラマといえば、全16話が基本フォーマットだったが、現在は全8~12話のドラマも難なく見つけることができる。10月に放送が終わったKBS2の『ゾンビ探偵』(原題)も全12話で、ゾンビという新鮮なテーマと同じくらい少ない話数でインパクトを残した。
現在放送中のtvNの『産後養生院』(原題)は全8話、OCNの『サーチ』(原題)も全10話で構成されている。
もちろん『サーチ』の場合、OCNが継続して試みている“ドラマチックシネマ”として映画とドラマを組み合わせた作品であるため、話数自体が減るしかない。また“ミリタリースリラー”というジャンルであるだけに、迅速な展開が必要だ。
『産後養生院』も、産後養生院内で繰り広げられる話を描き出すだけであるため、全8話という異例の編成で視聴者に接近している。過去には『安いです!千里馬マート』(原題)もマート内の話を大事にした全12話のドラマだったが、軽快なリズムとスピード感で大きな支持を受けた。
起承転結が明確な従来のドラマに慣れた視聴者の反応は、「産後養生院の話なので長くはできないだろうが、共感できるドラマなのに早く終わるのは残念」「シーズン2を念頭に置いているのではないか」「遅々としたところがなくテンポがいい」など、さまざまだ。
話数の少ない形式のドラマは、急速に変化する世の中を反映した結果だ。現実的な制作費の問題も看過できない。各テレビ局が1年に放送するドラマの作品数が減っており、次のドラマまでの空白期間も長くなっている。
とある放送関係者は「実際にドラマよりもバラエティのほうが、収益構造は有利。しかしテレビ局の役割としてもドラマは維持されるべきで、複数の利害関係が対立しているため、現在のような現象が起きている」と耳打ちした。
それでも量ではなく、質で勝負するという変化は、より良いコンテンツを作るという志向性の表れでもあるため、注目に値する。複数のテレビ局で“映画のようなドラマ”を謳う理由も同様だ。海外ドラマのようにシーズン制の作品も増えており、今後もその流れは続く見通しだ。
ただすべての韓国ドラマが、トレンドに乗るわけではない。放送中のSBSドラマ『ペントハウス』は全20話で構成されており、前出の『産後養生院』と比較すると3倍以上の期間で放送される。韓国のテレビドラマは今、NetflixなどOTT(ネット経由のストリーミングメディアサービス)が急浮上しているなかで、さまざまな試みを通じて“生存方法”を模索しているわけだ。
また別の関係者は「地上波ドラマの立場がどんどん弱まっている。視聴率だけを見ても危機であることを確認できる」とし、「現在は各テレビ局が問題解決のために多様な案を出してチャレンジしている過渡期」と伝えた。
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