“兵役逃れ”を目的として韓国国籍を放棄した歌手ユ・スンジュン(43)に対して、韓国政府が去る7月に再びビザの発給を拒否した事実が遅れて明らかになった。
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先立って2019年9月、韓国大法院(最高裁判所)は「ユ・スンジュンのビザ発給拒否は比例原則に反する過度な処罰」としたが、ビザの発給はまた別の理由で拒否された。
それは“在外同胞法”だった。
在外同胞の出入国と法的地位に関する法律(在外同胞法)第5条によると、法務部長官は外国国籍同胞に欠格事由があるとき、在留資格を付与しないことができる。「軍服務や兵役免除を受けていない状態で大韓民国国籍を離脱、または喪失した場合」と、「大韓民国の安全保障、秩序維持、公共福利、外交段階など大韓民国の利益を害するおそれがある場合」だ。
最高裁の判決では、兵役逃れによる17年間のビザ不許可は過度であると判断されたが、韓国政府は今回、第2の規定、すなわち「大韓民国の秩序維持と公共福利」においてビザを許可することが国益を損なうと判断した。
『中央日報』はこれと関連して10月7日、「ユ・スンジュンの弁護人側は5日、“政府のビザ発給拒否は最高裁判決の趣旨に真っ向から反する”とし、ソウル行政裁判所にビザ発給拒否取消訴訟を提起した」と報じた。
明るいイメージのイケメン歌手として人気を博したユ・スンジュンは、2002年、アメリカ国籍を取得して兵役を逃れという事実が知られ、全国民から非難を受けた。
特に入営対象者でありながら、歌手活動のために海外滞在を許可された身でアメリカ国籍を取得したため、不敬罪にまで問われた。
それに対して韓国法務部は、ユ・スンジュンを入国禁止とした。そうして13年が経過した2015年、米ロサンゼルス総領事館がビザの発給を拒否し、ユ・スンジュンの訴訟が始まった。
4年も続いた訴訟は、2019年の最高裁の判決でユ・スンジュンが勝訴し、終わったかのように見えたが、今回再びビザの発給が拒否されたことで、ユ・スンジュンの韓国入国をめぐる攻防は第2ラウンドに入ると思われる。
なおユ・スンジュンは2004年にアメリカで在外同胞と結婚し、4人の子供をもうけた。
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