善と悪、権力者と庶民の対決など社会派サスペンスの人気が根強い韓国。『追跡者〔チェイサー〕』『リターン―真相―』『操作~隠された真実』など、このジャンルの名作ドラマは新旧それぞれ枚挙にいとまがない。
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本作『ジャスティス-復讐という名の正義-』も、巨大権力と無力な正義の対決をスリリングに描き韓国で同時間帯視聴率一位を独走した。原作は作家チャン・ホの同名作。ウェブ公開当時から人気を博し、社会現象を巻き起こした作品だ。
金と権力の前であまりにも無力だった2人の男が、互いの“正義”を掲げて手を組んだことから物語は始まる。
理不尽な裁判への怒りから、復讐を誓って建設会社社長ウヨンの手先となる弁護士テギョンを演じたチェ・ジニョク。信じて手を組んだウヨンへの疑惑、別れたはずのヨナへの消えることのない思いなど、微妙な心の移ろいを絶妙に演じて視聴者の胸をくすぐった。
もう一人の主役とも言える人物、家族を守るために悪魔と化した男、ウヨンには『追跡者〔チェイサー〕』で、家族を奪った事件に執念で食らいつく刑事ホンソクを迫真の演技で見せたソン・ヒョンジュ。同じく家族のためでありながら、ホンソクとはまったく違う選択をするウヨンを壮絶に演じ切っている。
そして、物語の鍵となるもう2人の人物。
テギョンの元恋人で検事のヨナを熱演したのは、AFTERSCHOOL出身のナナ。事件に食らいついたら決して離さない、しぶとい検事を闘志全開で熱演している。
検事という役柄、シンプルなパンツスタイルが多いが、それがかえって彼女の美貌を際立たせ、アクの強い男性陣の中でひときわ輝きを放っている。
最後に、本作で大いに存在感を示したパク・ソンフン。芸歴は長いがドラマではまだ2018年に新人賞を取ったばかりの彼は今回、大企業の副会長タク・スホ役でその個性を見せつけた。温和な表情の奥に隠された実像が垣間見えるシーンには思わずゾッとさせられる。
初回から予想をはるかに上回る迫力の展開が待ち受け、回を追うごとにますます先が見えなくなり見るものを引き込んでいく本作。迷走する事件のゆくえや、次第に変化していく登場人物の胸の内が、緊迫した映像とともに丁寧に描かれていく。
復讐のため悪魔の手先となった男、家族を守るため悪魔と化した男、金と権力と隠された顔を持つ男…果たして本当の“悪魔”は誰なのか?DVD・配信でぜひお楽しみいただきたい。
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