“R-18指定”『夫婦の世界』が開いた連ドラの可能性。一方で新たな課題も浮上

2020年04月27日 話題 #韓流ドラマ
このエントリーをはてなブックマークに追加

韓国JTBCドラマ『夫婦の世界』(原題)が、「19禁」(日本のR-18にあたる)作品の新たな可能性を開いた。

4月25日に放送された第10話の視聴率は全国22.9%、首都圏25.9%を記録し、再び自己最高記録を更新。同時間帯1位を守った。

【関連】“激辛ドラマ”『夫婦の世界』、原作『女医フォスター』との違いは?

また、首都圏視聴率では同局の最高ヒット作『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』が記録した24.6%を超え、同局歴代1位となった。

これは先日、『夫婦の世界』制作陣が第7話から最終回まで「19禁」指定を維持すると公式発表した直後の記録という点で、注目に値する。「19禁コンテンツでも視聴率が取れる」という制作陣の自信が通じた模様だ。

今は首都圏視聴率のみではあるが、このような上昇ぶりなら『SKYキャッスル』が打ち立てたケーブル局ドラマ史上最高視聴率の23.8%(全国基準)も更新できると見られる。

(写真=JTBC『夫婦の世界』公式HP)

最近、韓国ドラマ業界では「15禁」(15歳以上観覧可)と「19禁」指定を行き来するコンテンツが絶えず試されている。JTBCドラマ『ミスティ~愛の真実~』『密会』などの不倫シーンに限らず、最近はジャンルもさまざまだ。

例えば、OCNドラマ『ルガール』『他人は地獄だ』『客 the guest』などがスリラーな場面の完成度を高めるために一部の回の視聴年齢を調整したり、Netflixではオリジナルシリーズ『キングダム』が「19禁」指定で配信されたりした。もともと「19禁」である海外ドラマのリメイク作品が増えたことも影響を及ぼしている。

ただ、『夫婦の世界』のようなテレビドラマが全16話のうち14話も「19禁」指定になるのは異例のことだ。

ここには「新しい試み」として韓国ドラマがさらに進化したという意味もあるが、一方では、老若男女が簡単に触れられるテレビ画面から扇情的なシーンが映ることに対し、依然として「不快だ」という声も上がっている。

「19禁」というレッテルを貼ることで暴力性、扇情性の論争に一種の免罪符を与える恐れがあるという懸念も生じている。

『夫婦の世界』で最も議論になっているのは、暴行被害者として描かれた女性たちの姿だ。 

4月18日に放送された第8話で、チ・ソヌ(演者キム・ヒエ)が謎の男性から無差別な暴行を受ける姿は、まるでVR(仮想現実)ゲームのように一人称視点で描かれて非難を浴びた。 

(写真=JTBC)

また、デートDVを受けるシム・ウヌ(演者ミン・ヒョンソ)の姿も、刺激的に描いたという苦情も寄せられている。

大人しかったソン・ジェヒョク(演者キム・ヨンミン)の浮気を描く過程でも問題が生じた。

彼は、20代女性から「ブランドバッグを買ってくれたら恋人になる」と言われ、ホテルで一夜を過ごす。隠していた浮気性を際立たせ、男性として間違った性意識を描こうという意図だったが、かえって女性軽視を煽る設定として、不適切だったという非難が続いた。

ドラマ関係者は「映画の場合、年齢制限が興行に悪影響を及ぼすが、テレビドラマの場合はむしろ視聴者の関心を触発させて視聴率上昇につながることもある」とし、「映画や動画配信サービスに比べ、テレビは「19禁」だとしても青少年が触れやすい媒体という点を考慮してレベルを調節する必要がある」と述べた。

『夫婦の世界』のように視聴率が20%を超えるヒット作ほど、責任感を持って暴力や女性軽視的なシーンに慎重を期する必要があるという声が出ている。

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

PHOTO写真

TOPIC「Netflix韓流トリオ」特集