「不安よりは、楽しもうという気持ちの方が大きかったです。実際に参加すると、会場の活気がすごくて、すべてがキラキラして見えました。日本に帰ってくるまではずっと夢見心地で、自分がカンヌのレッドカーペットを歩いたという実感もなかったぐらいです」
韓国メディアも異例の注目
特筆すべきは当時、唐田が日本のメディアだけでなく、韓国メディアからも関心を集めたことだろう。
前出の通り、唐田は昨年から韓国でも活動を行っているが、カンヌでは韓国取材陣のために特別にインタビューの場が設けられるほどだったというからすごい。
近年は“清純のアイコン”と呼ばれる藤井美菜をはじめ韓国で活躍する日本の芸能人も多いが、唐田への注目度の高さは異例ともいえる。
「韓国でも注目していただいているのは、素直にうれしいです。月に一度くらいは韓国でもお仕事をしているのですが、最近は韓国でも私の存在が知られていることを実感しています。
この前は、ソウルの弘大(ホンデ)を歩いていたとき、若い男の子から“エリカ!”と名前を呼ばれてびっくりしました。突然のことだったし、まさか韓国の街中で声をかけられるとは思っていなかったので、動揺してつい“オヨヨ!?”と言ってしまって恥ずかしかった思い出でもあるんですけど(笑)」
釜山国際映画祭への出品も?
韓国での人気がうかがえる話だが、唐田が所属する韓国の芸能プロダクション・BHエンターテインメントによれば、『寝ても覚めても』は今年10月4日に開幕する「第23回釜山国際映画祭」への出品も検討しているという。
アジア最大級といわれる釜山国際映画祭では、唐田と同じBHエンターテインメントに所属するハン・ヒョジュをはじめ有名女優たちが登場するレッドカーペットも注目の的になってきた。
昨年10月の釜山国際映画祭では、初登場となった中山美穂も大注目を集めたが、韓国で人気の高い唐田が登場すれば盛り上がることは間違いないだろう。
「私のことを見てくれる人が韓国にもいることはありがたいことです。『寝ても覚めても』の韓国での配給も決まったので、たくさんの方々に観ていただけたらうれしいです」
日本はもちろん、韓国でも注目を集める唐田。それだけに気になったのは、今後の活動のことだ。『寝ても覚めても』で女優としてのスタートラインに立ったと語った彼女は今後、日韓を股にかけ、どんな活動を行っていくのか。
次回は唐田のこれからのことを掘り下げたい。(つづく)
(文=慎 武宏)
【インタビュー②】韓国でも人気のカンヌ女優・唐田えりかが語る“日韓比較”と“理想の女優像”