韓国芸能界に“良い影響力”が続いている。
韓国で新型コロナウイルスの感染者が4000人超と拡大するなかで、スターたちが感染者や感染防止を支援しようと、温かい手を差し伸べている。
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すでに数え切れないほどのスターたちが寄付をしたというニュースが報じられ、3月2日にも女優コ・ソヨン、俳優イ・ミンホ、イ・ジョンジェ、キム・ヨンチョル、歌手パク・ヒョシン、キム・ボムス、ホン・ジニョン、TWICEのダヒョン、タレントのチョン・ヒョンムなどが寄付活動で良い影響力を広げている。
そんなスターたちの後に続いて、ファンも一緒に善行に参加した。BTS(防弾少年団)ファンの寄付金が4億2000万ウォン(約4200万円)を突破し、ソン・ガインやカン・ダニエルのファンたちも“寄付リレー”に参加している。
一方で、まだ寄付をしていない有名芸能人のリストを作成し、彼らに対して誹謗したり、問題を提起したりする悪質なコメントも書き込まれている。
さらには寄付活動の価値を金額で判断し、非難する皮肉な状況も起きた。
俳優イ・シオンは100万ウォン(約10万円)を寄付したのだが、その金額に対してネット上では非難の声まで上がった。賞賛されるべき寄付活動が、金額によって評価されてしまう異常な光景だ。
寄付はその行為自体に意味があるものであり、一種の社会的責任であり、義務であるとさえいえるかもしれない。しかし、たとえそうであっても特定の人に寄付を強要したり、強制したりすることはできず、寄付しなかったからといって非難してはならない。
特に金額やその内容で、寄付活動の意味と価値を評価してはならない。寄付する金額の大小が、寄付活動の価値と比例するわけではないからだ。
生涯を貧しい病人のために尽くしたマザー・テラサが残した「大切なのは、どれだけ多くをほどこしたかではなく、小さくてもどれだけ愛を込めたかだ」(It's not how much we give、but how much love we put into giving)という名言を思い出すべきだろう。
またこの間、多くの韓国芸能人が新型コロナに対応する韓国政府の対策について、非難する苦言を残した。
しかし一部では、それを政治利用したり、自分たちの陣営に有利な論調に持っていったりし、該当芸能人が提起した問題とは別の観点からの議論が起きるなどの騒動となっており、芸能人が直接釈明する事態となった。
タレントのパク・ミョンスは、マスク不足を指摘した発言が歪曲されると、自らラジオ放送を通じて「現実的にマスクを購入できずに苦労している方々と共感したくて発言したが、しきりに政治利用されているようだ。決して、そのような意図はなかった」と言及し、マスク2万枚を寄付したりした。
芸能人らが社会問題について自らの意見を述べるのは、自然なことだ。ただその発言は、政治的な方向性や傾向を示しているわけではない。しかし現在のように、発言を政治的に解釈したり、自分の意図に合わせて利用したりする勢力も出ているのが現実だ。
新型コロナの被害を克服するために、全国民的な努力と団結が必要な状況であり、政治圏にも絶え間ない協力と対応が求められている。
韓国芸能界では良い影響力が広がっている分、不快な視線や芸能界の論争を別の問題に置き換える行動を警戒しなければならない。
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