イマドキは体力トレーニングをやらない?Kリーグで話題、“次世代の練習方式”とは

2020年02月24日 サッカー #Kリーグ
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スタミナはサッカーにおいて必要不可欠な能力だ。技術や戦術面と同様、勝敗に決定的な影響を及ぼす。

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ならば当然、スタミナや体力を鍛えるトレーニングが必要だろう。しかし最近では、体力強化を担当する指導者たちに興味深い意識変化が起きている。

一般的にKリーグの指導者は、プレシーズン最初のトレーニングの課題に体力強化を挙げる。12月にオフを過ごした選手は1次冬季キャンプを通じて3~4週間で体を作り、2次キャンプで戦術を完成させるというパターンが良く見られる。

上記の例は、基礎体力がなければ戦術練習を消化できないという前提があり、ほぼ定石のようになっている。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)

指導者によって異なる場合もあるが、体力強化の期間はボールを使わずに身体能力を引き上げるトレーニングが主流をなしている。選手もこの時期を最も厳しい時期と挙げるだろう。

たが、そこに変化の動きがあるという。1次キャンプから戦術面やチーム練習に集中する方式が登場しているのだ。

昨シーズンのKリーグで躍進した江原FC監督の“思考”とは

Kリーグの指導者では、江原FCのキム・ビョンス監督が代表的だ。キム監督は体力強化を別途にチェックする概念として、次のように考えている。

「冬季キャンプで厳しい体力強化を行ったとしても、その効果が1年も続くわけがない。怪我をする選手が怪我をしなくなるわけでもない。どうせ試合や練習をしていれば、その過程で体力はつく。ボールを使った練習のほうが、よほど効果的だ」

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)江原FCのキム・ビョンス監督

つまり、体力強化と戦術練習をあえて分ける必要はないということだ。戦術練習も体力強化の助けとなる。フィジカルコーチによるトレーニングも行うため、また別途に体力強化のセッションを設ける必要性を感じていないのだ。

これについて、選手からの反応も良好だ。

昨シーズン、江原FCに加入したイ・ヨンジェ(25)は、「このチームは体力強化を別に行わないから驚いた。不安かもしれないが、選手がその分管理すれば問題ないだろう」と述べた。

イ・ヨンジェ

実際、江原FCは昨シーズンのKリーグに“ビョンス・ボール”旋風を巻き起こした。

第17節の浦項スティーラース戦では後半10分時点で0-4と大差をつけられながら、後半26分からロスタイムにかけて怒涛の5ゴールを決め、5-4の大逆転勝利を演出。試合終盤での強さを見せつけた。

このことからも、体力的な問題は感じられない。

練習方式の変化がKリーグのトレンドに?

今シーズンからKリーグで指揮をとる元Jリーガーのキム・ナミル監督(城南FC)や、2002年日韓W杯メンバーのソル・ギヒョン監督(慶南FC)も似た思考を持つ。

城南FCのキム・ナミル監督

体力を鍛えるよりも、戦術理解度を高めてチーム全体の組織力を向上させることに主眼を置いている。

それどころかソル監督は攻撃戦術こそ指揮するものの、フィジカルやスタミナはフィジカルコーチに全権を与えている。ソル監督は成均館大の監督時代も練習は90分程度で締め、体力面は選手自身に任せるという異色の指導法で話題を集めた。

プロの監督になってからも、その考え方は変わらない。

慶南FCのソル・ギヒョン監督

誤解はないと思うが、決して彼らが体力強化を最初からやらないというわけではない。スタミナを鍛えるトレーニングの方式が異なるということだ。戦術練習の強度を高めれば、自然に体力強化にも直結する。

スタミナやフィジカルに集中する既存の方式が悪いともいえないだろう。

サッカー先進国の欧州でも、練習方式は指導者によってまったく異なる。短時間でコンパクトに練習するチームがあると思えば、シーズン中でも2~3時間超の練習を強行するチームもある。

戦術がそうであるように、練習方式にも答えはない。

Kリーグで経験が多いとある指導者はこう話す。

「監督ごとに考えは異なる。練習方式が豊富なほうが、サッカーの発展にも良い。選手もさまざまな指導を経験すれば今後の糧となるだろう。結局、方法に対する責任は結果を通じて監督が負うものだ。どれが正しく、何が間違っているかというのは難しい」

サッカー界では時代に伴う戦術の変化がよく話題になることがある。それと同じく、練習方式の変化に注目してみるのも、一興かもしれない。

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