やはりエースらしかった。リュ・ヒョンジンが登場すると、現場は集まった取材陣でたちまち混乱した。
リュ・ヒョンジンは2月14日(日本時間)、米フロリダ州ダンイーデンでトロント・ブルージェイズ移籍後、初の公式トレーニングを行った。
ブルージェイズはTD Ballparkにスプリングキャンプ地を設けたが、狭いため、車で10分の距離にあるトレーニング場で練習を行う。
リュ・ヒョンジンもTD Ballparkに“出勤”したが、球団のバスに乗って移動し、本格的なトレーニングに入った。
ブルージェイズに合流後、早くから球場を訪れて個人練習を消化したリュ・ヒョンジンだが、チームの公式練習はこの日が初めて。リュ・ヒョンジンのブルペンピッチングが予定されていた。
リュ・ヒョンジンの練習を取材するために早朝から集まった記者たちによって、現地は騒がしかった。
リュ・ヒョンジンが場所を移動するたびに、取材陣も動き回った。現場に集まった取材陣は国籍を問わず、リュ・ヒョンジンの一挙手一投足を見逃さないよう忙しく動いた。
リュ・ヒョンジンが練習を終えてTD Ballparkに戻ると、取材陣との公式インタビューが行われた。瞬く間にリュ・ヒョンジンの側に記者たちが集まったため、現場はしばらくの間、修羅場と化した。そしてアメリカ現地記者の質問攻めが繰り広げられた。
現地記者たちのインタビューが終わった後には、韓国取材陣のインタビュー時間が別途に用意されていた。リュ・ヒョンジンは約30分間も続いたインタビューが終わって、ようやくクラブハウスに入ることができた。
リュ・ヒョンジンを取材しようと集まったメディアを見守ったブルージェイズの球団関係者も、驚きを隠せなかった。誰もがリュ・ヒョンジンの近くを通って、集まった取材陣を見物しにいった。ある関係者は、携帯電話のカメラで現場を撮影したりもした。
選手たちも同じだ。ブルージェイズの看板打者ブラディミール・ゲレーロ・ジュニアは、個人練習を終えて引き上げる際、不思議そうな表情でリュ・ヒョンジンのインタビュー現場を見守った。
この日のリュ・ヒョンジンへの関心は、同じような時期にブルージェイズに入団した元巨人の山口俊と比較すればわかりやすい。
背番号「1」の山口も同日が初の公式トレーニングとなったが、彼を取材するために集まった記者たちは10人に満たなかった。練習後の球団レベルの公式インタビューもなかった。
改めてエースが誰であるかを確認することができた瞬間だった。
前へ
次へ