女子バレー韓国代表が越えなければならない最大の壁が残されている。
ステファノ・ラバリニ監督率いる韓国は、2020東京五輪アジア予選で優勝し、本戦出場を決めた。2012年ロンドン五輪、2016年リオ五輪に次ぐ3大会連続出場だ。
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しかし、オリンピック出場の歓喜も束の間、予選を終えた韓国代表の選手たちはそれぞれ負傷に苦しめられている。悲願の本戦出場と代償に、韓国代表はいくつもの負傷に苛まれることになった。
東京五輪行きをリードした韓国代表の“エース”キム・ヨンギョンにはじまり、イ・ジェヨンやキム・フィジンはそれぞれ、予選を終えて腹筋やふくらはぎ、膝の負傷により、現在所属チームでプレーできずにいるのだ。
韓国は今夏に開幕するオリンピックまでに、負傷という最大の壁を乗り越えなければならない。負傷中の選手は皆、長期間の治療とリハビリを擁するものではないが、体力管理などのコンディショニングは必須だ。
予選を戦い抜いた選手たちは、ハードな日程をこなしたことによる疲労を訴えている。今後新たな負傷者も現れる可能性は否めない。
コンディション問題を解決するには困難な道が控えている。
韓国プロバレーのVリーグ女子は、3月15日にレギュラーリーグを終える。1月22日現在、リーグ2位(勝ち点34)の興国生命ピンクスパイダーズでエースを張るイ・ジェヨンは、負傷から復帰後、春先までプレーを求められている状況だ。
また現在首位争いを繰り広げる現代建設ヒルステート(1位・勝ち点36)とGSカルテックス(3位・勝ち点31)のどちらにも、代表選手が所属している。4月初旬にシーズンが終了し、そこでようやく休息をとることができる。
ここで新たに発生する問題は、5月に開幕する国際バレーボール連盟(FIVB)バレーボールネーションズリーグ(VNL)だ。
5月19日から5週間、毎週各国で試合が行われるため選手にかかる体力的な負担は大きく、休息の時間もままならない。韓国は最終週の6月16日から18日に、ホームでブラジル、オランダ、トルコを招いて予選ラウンドを戦う。
加えて、負傷中の選手の回復にも影響が及ぶ可能性もある。かといって、他の選手の実戦経験を積ませるためにVNLで主力を外すことも無理がある。
結局、過密日程で緊急事態に巻き込まれないためには、事前準備を欠かさない以外に打つ手がない。Vリーグ後半戦もはじまり、首位争いが本格化している時期ではあるが、代表に派遣される選手は休息と負傷を懸念しながらプレーしなければならない。
韓国代表選手たちは、東京五輪本戦までに“負傷”という最大の壁を乗り越えなければならない。それを乗り越えてこそ、夢にまで見た舞台に足を踏み入れることができる。
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