日本Jリーグのヴィッセル神戸の動きが尋常でない。
親会社・楽天の全面的な支援でこの3年間、ワールドクラスの選手を招いた神戸は“多国籍軍団”として一時は試行錯誤を経たが、最終的にしっかりとまとまったチームに生まれ変わり、2020シーズンのアジアサッカー連盟チャンピオンズリーグ(ACL)を狙っている。
神戸がスター選手を積極的にスカウトし始めたのは、2017年からだ。
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それまではコストパフォーマンスの高いブラジル人FWを中心に外国人選手を確保していたが、ドイツ代表出身のルーカス・ポドルスキを迎え入れた。
そして翌年、スペインはバルセロナの全盛期を率いたMFアンドレス・イニエスタを獲得して話題を呼んだ。
さらに2019年にJリーグが外国人選手の保有制限をなくす規定を変えると、神戸は経験と才能を兼ね備えた外国人選手を大勢呼び寄せた。
バルセロナ出身の有望株セルジ・サンペール、スペイン代表出身のFWダビド・ビジャ、ベルギー代表DFトーマス ・フェルマーレンなど欧州選手だけでなく、ドイツ生まれのレバノン代表DFホアン・オウマリなどスカウトレーダー網を広げた。
もちろん過渡期を経験した。
昨季序盤はリーグ中・下位グループに淘汰し、フアン・マヌエル・リージョ(スペイン)監督が更迭され、バトンを受け継いだ吉田孝行監督も2カ月後に退任した。
新たに采配を取ったのは2011~2013年にドイツ・ハンブルクを率いてソン・フンミンと同じ釜の飯を食べたトルステン・フィンク監督(ドイツ)。
フィンク監督は選手団を収拾。これに日本の生活に完全に適応したイニエスタなど、特級スターたちが中心的な役割を果たし、神戸は結束力を備え始めた。
その結果、神戸は今年1月1日、鹿島アントラーズと戦った天皇杯決勝戦で2-0の完勝し、クラブ史上初の優勝カップを掲げた。
リーグ戦でも2019年11月以降5試合で4勝(1敗)を記録し、18チーム中8位で終えた。楽天の頼もしいサポートの中、神戸はJリーグだけではなく、ACLまで飲み込むという野心を抱いている。
リーグ不振を克服し、天皇杯で頂点に立ったことで、「アジア王者」の夢に本格的に拍車をかけることになったわけだ。