1つだけ知っていて、2つは知らないらしい。
韓国は日本に比べて、国を代表するナショナルチームになったときの凝集力がはるかに強い。技術差も確認したため、克服方法を見つける可能性も高い。
KBOリーグを経験した日本人コーチたちが1月3日付の『東京スポーツ』とのインタビューで、「韓国は東京五輪で日本を越えるのは難しい」という立場を堅持した。
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侮れない相手だということは認めながらも、分厚い選手層や基本技の違いなどを挙げ、日本が東京五輪の金メダルを獲得するものと期待した。日本人の立場として十分にいえる話だ。
しかし正田コーチの発言の中には、やや不便なことが含まれている。
彼は「プレミア12で日本が韓国に勝利したのは当然の結果」だとし、「東京五輪では兵役の恩恵が韓国選手たちの士気を高めることができるが、すでに大多数の主要選手らは、2018年アジア大会で恩恵を受けた」と話した。
それとともに「韓国では政治も野球も世論によって動く。結果を出せば拍手を受けるが、反対の場合は逆賊になる。韓国ではメディアよりファンや世論を心配する選手が多すぎる」と指摘した。
実際、インターネットの書き込みなどファンの声に気を使う選手が多い。
しかし、世論が選手たちを動かすというのは大げさだ。ファンがオンラインなどで自分の声を上げるのは、国民主権国家で起きる自然な行動だ。
政策広報にばかり熱を上げるマスコミ報道に、それほど不便さを感じない日本とは、文化そのものが違うという意味だ。日本は東京五輪開幕が1年も残っていない状況にもかかわらず、旭日旗問題や放射能問題などに韓国を含めた東アジア国家らが敏感に反応しているという事実を自国民に知らせていない。
多くの選手が兵役の恩恵を受けたとしても、兵役未了者がオリンピック代表チームに選ばれる可能性がある。
先輩たちの活躍で大きな恩恵を受けた選手たちが、後輩たちに同じ恩恵をプレゼントしたいという気持ちは、代表チームの競技力を最高に高める主な動力のひとつだ。何よりもオリンピックの金メダルは、10年以上維持してきた韓国野球の自尊心だ。
アジア諸国の中で唯一の五輪ゴールドメダリストという自負心は、韓国野球の国際競争力向上にも大きな動力になった。
何よりも日韓戦は、韓国にとつて必ず勝たなければならない試合だ。兵役やメダリスト年金などの恩恵より、国民感情がより重要だという意味だ。
実際に日本野球の天才イチローは、2006年WBCを控えて「向こう30年間、日本を勝つことができないようにする」と発言したをした後、韓国野球に手厳しくやられた。ただ傍で見守っただけで、まるで国際大会に臨む姿勢が兵役特例のためのものだと主張するのは問題がある。
最善を尽くす選手たちに対して、たとえ1等がなくても拍手で高く評価する文化は必要だ。外国人コーチから「金メダルを取れなければ逆賊とされてしまう」と評価されることは、省察すべき部分だ。
代表チームの選抜過程の透明性向上と競争力向上という「二兎」を得られるよう、韓国野球委員会(KBO)は、さらに細密なプロセスを確立しなければならない。
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