どのチームも、投手の立場からすれば避けて通りたい相手だろう。
そのなかでもヤンキースは、“ホームラン球団”だ。アーロン・ジャッジ、グレイバー・トーレス、ジオバニー・ウルシェラ、DJ・ルメイユといった強力な打者がそろい、さらにはリーグ屈指の巨砲ジャンカルロ・スタントンも怪我から復帰した。
リュ・ヒョンジンは今年8月25日のヤンキース戦で4.1イニングを投げ、3本塁打を含む7失点を喫したことがある。
当時はサイ・ヤング賞へ順調な好投を続けていたリュ・ヒョンジンだが、この試合によって1点台に押さえていた防御率が大きく悪化した。
リュ・ヒョンジンはヤンキースと対戦した2試合でいずれも敗れ、防御率8.71という結果に終わっている。ヤンキースだけでなく、レッドソックスのムーキー・ベッツやザンダー・ボガーツ、ラファエル・デバース、J.D.マルティネスも用心すべき相手だ。
リュ・ヒョンジンはブルージェイズの先発ローテーション1番手での起用が予想されている。チームの打線によるサポートは弱い一方、戦う相手はどの打線も強力だ。ドジャース時代よりも険しい道が待っているだろう。
ブルージェイズのホーム球場であるロジャース・センターも、リュ・ヒョンジンをサポートできるとは言い難い。“投手の墓場”と呼ばれるクアーズ・フィールドを除き、メジャー球場全体でホームランの出る確率がトップだからだ。
ロジャース・センターは内野に人工芝が敷かれており、グラウンダーの打球スピードが速い。打たせるタイプのリュ・ヒョンジンからすればマイナス要因だ。今まで以上に精細なコントロールと変化球のチョイスが要求される。
精密さがより求められれば肩に負担がかかり、負傷につながる可能性もある。これは、懸念の声が上がるイニング消化数の問題にもつながる。
現地メディアでは、すでにリュ・ヒョンジンと契約したブルージェイズは後悔するかもしれないとのニュースも出ている。