2日間で5億6900万ドル(約620億円)の大型契約が結ばれた。大盛り上がりを見せるメジャーリーグのフリーエージェント(FA)市場の話だ。
米サンディエゴで12月9日(日本時間)から始まったウィンターミーティングを通じて、相次いで大型契約が発表されている。
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投手ビッグ2に選ばれたスティーブン・ストラスバーグが12月10日に2億4500万ドルでワシントンと契約すると、12月11日にはゲリット・コールが9年間3億2400万ドルという投手史上最高額で、ニューヨーク・ヤンキースと手を握った。
“優勝請負人”と呼ばれるほどの実力者であれば、天文学的な金額を受け取ることができる。メジャーリーグが“夢の舞台”であることを改めて感じた人も多いだろう。
一方で韓国KBOリーグのFA市場に目を向けてみると、あまりに対照的だ。
優勝請負人とまではいかなくても、一定の活躍を繰り広げた選手たちが今冬のFA市場に登場した。そのビッグ4に分類されたアン・チホン、キム・ソンビン、オ・ジファン、チョン・ジュンウにも、これといったニュースがない。
韓国経済の後退と来年の国会議員選挙など外部の悪材料を理由に、各球団が財布の紐を締めている。
FA市場の状況が悪かったため、オ・ジファンは前所属球団LGツインズに事実上の“白旗投降”を宣言した。当初は6年契約を主張しながらスター選手待遇を望んでいるとの話が流れたが、世論の非難を浴びると「チームへの忠誠心」を強調し、球団にすべての条件を一任した。交渉の主導権を握ったLGは、鼻歌を歌いながらウイン・ウインとなる契約を準備中だ。
オ・ジファンの契約規模に注目していた球団は、険しい表情だ。比較対象が消えてしまったため、誰が猫の首に鈴をつけるか、激しい神経戦を展開している。
エージェントも苦しい。球団が神経戦を繰り広げると、具体的な条件について述べなくなる。いわゆる「市場価格」が作られてこそ駆け引きも可能なのだが、その大まかな市場価格自体が五里霧中な状況なのだ。
しまいには、「他の選手の契約規模にかかわらず、選手個人の能力と貢献度だけを評価してくれ」との声まで出ている。本当に昨年までFA市場が盛り上がっていたのだろうかと疑ってしまうほどだ。
KBOリーグのFA市場は、しばらく足踏み状態を維持する可能性が高い。キム・グァンヒョンとキム・ジェファン(斗山)が今回、ポスティングシステムを通じてメジャーリーグに挑戦すると発表したことが信号弾だ。
各球団は主軸選手が海外進出を夢見ると、FA資格を取得する前に送り出したくなる。ポスティングに失敗した選手は、FA資格を得たとしても市場価値が大幅に上昇することはないというのが一般的な見方だ。ポスティングに成功しても失敗しても、球団としてはリスクが少ない。
国内市場だけでは拡張に限界があるという点も、球団に有利な点だろう。観客数の低下にもかかわらず、収益構造が大幅に改善されたメジャーリーグとはっきり対比されるKBOリーグの限界が、真逆のストーブリーグの雰囲気を作り出した。
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