リュ・ヒョンジン(ロサンゼルス・ドジャース)がメジャーリーグ全体の防御率1位で、シーズンを終えた。
先輩メジャーリーガーであるパク・チャンホ、キム・ビョンヒョンなどがアジア人最多勝、ワールドシリーズ優勝などの業績を残したとしたら、リュ・ヒョンジンは投手の最も高い価値といえる防御率で大きな足跡を残すことになった。
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リュ・ヒョンジンは9月29日(日本時間)、米カリフォルニア州のオラクル・パークで行われたサンフランシスコ・ジャイアンツとの遠征試合に先発登板した。7イニングを投げ、7奪三振、無失点の好投を見せ、シーズン14勝目をあげた。
5安打を許したが、優れた危機管理能力で失点しなかった。この日の勝利でドジャースは、球団シーズン最多となる105勝を達成する喜びも味わった。
何よりもリュ・ヒョンジンは、防御率を2.41から2.32に下げた。
それによってニューヨーク・メッツのジェイコブ・デグロム(2.43)を引き離し、メジャー全体で防御率1位を確定した。加えて今季24与四球で、規定イニング(162イニング)を満たした投手のなかで同部門1位にもなった。
“コリアンモンスター”リュ・ヒョンジンといえば、安定感ある投球内容がトレードマークだが、今シーズンは防御率1位を記録するまで浮き沈みもあった。
彼はシーズン序盤、圧倒的なペースで1点台の防御率を維持したが、中盤以降、体力の低下などで不安定な姿を見せた。8月18日のアトランタ・ブレーブス戦の4失点をはじめ、その後の2試合で続けて7失点する難局に陥った。投球のバランスも著しく崩れた。
中継放送をしていたキム・ビョンヒョン解説委員が「同じような経験をしたことがあるが、早くアメリカに行ってアドバイスをしたい」と切実に願うほどだった。
リュ・ヒョンジンは不振が続き、防御率は1.45から2.35へと大きく上昇した。この時からリュ・ヒョンジンの防御率1位に赤信号が灯った。期待を集めたサイ・ヤング賞受賞も厳しくなった。するとデーブ・ロバーツ監督は、リュ・ヒョンジンに緊急休憩を与えるなど、エースの回復に力を注いだ。
コリアンモンスターの不振は長くなかった。1カ月で”8月の悪夢”を克服し、リーグトップクラスの投手として戻ってきた。
特に9月15日に行われたデグロムとの先発対決では、技量の回復をしっかりと証明した。リュ・ヒョンジンとデグロムはともに7イニング無失点の投手戦を繰り広げ、お互いの実力を存分に発揮した。
リュ・ヒョンジンは今シーズン、危機を克服して結果を残した。それだけに、大きな価値がある。
彼はシーズン終盤に復活し、防御率2.32でアジア人初の防御率1位の偉業を達成した。またこの記録は、1995年に野茂英雄が達成したアジア人投手の最優秀防御率2.54を更新することになった。
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