突然のニュースも、クラブにおけるイ・ガンインの現状を顧みれば“朗報”かもしれない。
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韓国代表MFイ・ガンイン(18)が所属するバレンシアは9月11日(現地時間)、マルセリーノ・ガルシア・トラル監督の解任を正式に発表した。理由は明らかにしていないが、ピーター・リム会長との関係悪化が原因と見られる。
リム会長がイ・ガンインをはじめとした若手を積極的に起用したい考えを持つ反面、マルセリーノ監督はベテランを中心としたメンバー構成に固執した。戦術においても、個人技よりも守備からのカウンターを一貫して重視していた。
昨シーズン、マルセリーノ監督はバレンシアをリーグ4位に押し上げ、国内カップ戦であるコパ・デル・レイ優勝を達成するなど、素晴らしい手腕を発揮した。今シーズンもリーグ開幕を迎え、会長との確執も落ち着くかに見られていたが、今回の突然の解任発表によりバレンシアは新たな局面を迎えている。
新指揮官には過去にU-16、U-21スペイン代表監督を務め、昨シーズンはレアル・マドリードのコーチを務めたアルベルト・セラーデスが就任した。
セラーデス監督は現役時代、バルセロナとレアル・マドリードの両クラブに所属した経歴を持っている。その他にはセルタやレアル・サラゴサでもプレーし、フランスのボルドーでもプレーした。スペイン代表には1998年に初招集され、4試合に出場した。
今回の監督交代によって、イ・ガンインの出場機会の増加に期待できるもしれない。
セラーデス監督はスペインU-21代表の監督を務めた2014年、UEFA U-21欧州選手権予選でイスコ(レアル・マドリード)を中心とする戦術を披露した。イスコは攻撃的な才能に秀でた選手であり、彼と似たタイプであるイ・ガンインをどう生かせるか、セラーデス監督もよく理解しているだろう。
アンダー代表監督の経験から若手にもチャンスを与えるという点も、イ・ガンインにプラスに働く可能性がある。
マルセリーノ監督を解任し、若手起用に積極的なセラーデス監督を招へいしたことからも、リム会長の意向が見て取れる。今回の解任劇は、イ・ガンインにとってチャンスであるといっても過言ではない。
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