どこかぎこちなく、不満の残る試合だった。
9月6日、パウロ・ベント監督率いるサッカー韓国代表が、トルコのファティ・テリム・スタジアムでジョージア代表と親善試合を行い、2-2で引き分けた。特にこの試合で2ゴールを挙げたファン・ウィジョは、6月のAマッチ2連戦から3試合連続得点の活躍を見せた。
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韓国は、変形3-5-2のフォーメーションを敷いた。ツートップはソン・フンミンとイ・ジョンヒョプがコンビを組み、2列目はクォン・チャンフンとイ・ガンイン、守備的MFにはペク・スンホが起用された。
両サイドのウイングバックには左にキム・ジンス、右にファン・ヒチャンが構え、スリーバックはクォン・ギョンウォン、キム・ミンジェ、バク・ジスが並んだ。この試合を通じてMFイ・ガンインとGKク・ソンユンがAマッチデビューを飾った。
ベント監督は、アジアカップ前に行った1月のサウジアラビア代表との親善試合以来、8カ月ぶりに、ウイングバックの1人を攻撃的に配置した非対称型の変形3バック戦術を披露した。
戦前の予想では、韓国がFIFAランキング94位のジョージアを相手に試合の主導権を握ると思われた。だが、いざ試合が始まるとジョージアが予想に反する戦いぶりを見せ、W杯アジア2次予選を控えたスパーリングパートナーに相応しい競技力を見せた。
韓国は前半13分に最初のチャンスを得た。ゴール前2対1の局面で、ソン・フンミンのパスからクォン・チャンフンがシュートを打つも、DFに阻まれた。続くコーナーキックではイ・ガンインが上げたボールをソン・フンミンがペナルティエリア内でコントロールしてボレーを放つも、ゴールの枠を逸れた。
対するジョージアも積極的な攻撃で、ペナルティエリアの内外から2~3本のシュートを放ち、韓国に緊張感を与えた。前半37分にはフリーキックの流れから、ジョージアのFWカザイシュヴィリがシュートを放ったが、ボールはGKク・ソンユンの正面。すぐさまイ・ガンインがミドルシュートで相手ゴールを脅かすも、得点にはならなかった。
そして前半39分、韓国がジョージアに得点を許してしまう。自陣のパス回しからボールを奪われると、カザイシュヴィリのスルーパスにジャノ・アナニーゼが反応。GKとの1対1を右足シュートで制し、ゴールネットを揺らした。
失点後も韓国は、クリアやパスのミスで2~3回のピンチを迎えた。幸い追加点は許さなかったものの、ディフェンスのもろさを露呈した。
後半、韓国はイ・ジョンヒョプ、ペク・スンホ、バク・ジスを下げて、ファン・ウィジョ、チョン・ウヨン、キム・ヨングォンを投入。雰囲気の切り替えに乗り出した。
交代の効果はすぐに表れた。後半2分、右サイドからソン・フンミンがDFラインの裏のスペースに送った絶妙なクロスに、ゴール前に走り込んだファン・ウィジョが合わせ同点に追いついた。スローによるリプレイでファン・ウィジョはオフサイドだったが、得点は認められた。
同点ゴールを決めた韓国は直後の後半6分、ペナルティエリア正面で得たFKをイ・ガンインが左足で直接ゴールを狙うも、ボールはゴールポストに阻まれる。ベント監督は後半17分にファン・ヒチャンとソン・フンミンをイ・ドンギョンとナ・サンホに、後半26分にはイ・ガンインをキム・ボギョンに代え、攻撃の変化を図った。
そして後半40分、韓国は逆転に成功。途中出場のイ・ドンギョンが右サイドから上げたクロスをキム・ジンスが頭でずらし、最後はファン・ウィジョが頭で合わせて逆転ゴールを生み出した。前線は多くの選手が入れ替わっていたが、起点となった安定したビルドアップは今後の自信につながるだろう。
しかしそのリードも長くは続かず、後半44分にDFの裏のスペースに抜け出したクヴィリタイアに同点ゴールを決められてしまう。パスが出された時点でクヴィリタイアはオフサイドポジションにいたが、こちらも韓国の1点目同様、副審のフラッグは上がらなかった。結局、両チームともにオフサイドかと思われた攻撃により得点するという状況が演出されてしまった。
いずれにしても最後の5分を守り切れなかった韓国にとっては、W杯アジア2次予選を前に不満を残す結果となった。
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