フランスのボルドーでは、“新参者”ファン・ウィジョ(ジロンダン・ボルドー)が新たなスターとして注目を集めていることを確認することができる。
ボルドーは、フランス南西部に位置する港町だ。農業と貿易を中心にした歴史ある町で、ユネスコ世界文化遺産に指定された都市内の複数の建築物がそれを証明している。広域圏まで含めれば、人口100万人となるフランス6番目に大きな地域だ。
ただ韓国では、都市自体よりもワインの名前でよく知られている。観光地として有名なパリ、リヨン、ニースなどに比べると、ここを訪れる韓国人は多くない。
【独占インタビュー】ファン・ウィジョ「自分だけの武器を作る」
実際に記者がボルドーに滞在した3日間、市内で出会った韓国人は1人もいなかった。ボルドー観光案内所で働く従業員に、「今週ここで出会った韓国人は何人いるか」と質問してみると、片手で数える程度だった。
そんなボルドーで、背番号18番「UI JO」のユニホームを探すのは難しくない。
観光地としてよく知られている「ブルス広場」の近くには、2階建てのクラブ用品ショップがあるのだが、建物の中に入るとファン・ウィジョのユニホームを着せたマネキンと向き合うことになる。クラブの代表選手として陳列されているだけに、ファン・ウィジョへの期待を実感することができる光景だ。
ファン・ウィジョの試合を見るためにボルドーを訪れたイ・ヒョンソクさんは、やや小さめのサイズのユニホームを購入するはめになった。すでに自分に合うサイズが売り切れていたからだ。
彼は「ユニホームを用意してスタジアムに行こうと思い、ボルドーに到着してすぐにショップを訪れた。でもラージサイズはすでになく、ミディアムサイズだけが残っていた。それさえも在庫はなくて、マネキンに着せたユニホームを買うことになった」と笑った。
ボルドーのホームスタジアム「ヌーヴォ・スタッド・ド・ボルドー」内のショップでも、ファン・ウィジョのユニホームが前面に推されている。
販売担当マネージャーは、「夏の移籍市場で複数の選手が移籍したが、そのなかでもファン・ウィジョのユニホームが最もよく売れる。まだプレシーズンでユニホームがそれほど売れない時期だが、私が販売しただけでも40着は超えるようだ。新シーズンを迎え、新しいユニホームを買おうとする人々が、ファン・ウィジョの名前を探していく」と教えてくれた。
去る8月5日、ジェノアCFCとの親善試合を控え、叔父と一緒に競技場を訪れたサーシャ・リュス・デルコムベル君は、5歳の生涯初のユニホームとしてファン・ウィジョを選択した。
「お兄ちゃんの友達のお父さんが、ボルドーで長くプレーしたサッカー選手だった。僕もボルドーのサッカー選手になりたくて、来年からサッカーを学ぶ。その記念に叔父がユニホームを買ってくれると言って、誰にするか悩んだ。ファン・ウィジョは上手いストライカーだと聞いた。これからゴールをたくさん入れてくれると思って選んだ」と、期待に満ちた表情を浮かべた。
その日の試合でファン・ウィジョは、地元ファンの心をしっかりと掴んだ。チームの先制点となるゴールを決め、欧州の舞台初ゴールを記録した。
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