元ガンバ大阪のファン・ウィジョ「自分だけの武器を作る」【独占インタビュー】

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「ホームでの試合は初めてだったが、ゴールを決めることができて良かった」

8月5日(以下日本時間)、欧州初ゴールを決めた後に会ったファン・ウィジョ(ジロンダン・ボルドー)の顔には、安堵の色が浮かんだ。ボルドー入団の公式発表から約2週間、チームと呼吸を合わせる時間も少なかったが、プレシーズン中に得点をあげて順調なスタートを切った。

特にファンとの顔合わせとなったホームゲームで生まれたゴールだけに、意味が大きかった。親善試合ではあったものの、相手はイタリア・セリエAのジェノアCFC。ゴールの価値は十分だった。

前半36分に右足シュートでゴールネットを揺らしたファン・ウィジョは、交代の際にサポーターから拍手を送られるなど、成功裏にホームデビューを終えた。

ファン・ウィジョは「ボルドーに来て1週間足らずだった。ホームスタジアムにも初めて訪れたが、いい雰囲気のなかでゴールを決めることができた」とし、「この間、チームに適応するために多くの努力をした。このゴールを皮切りに、今後も良いニュースを届けられるように頑張りたい」と力を込めた。

ファン・ウィジョが“ワン(王)・イジョ(です)”に

海外リーグでプレーする韓国人選手たちは、よく別名で呼ばれたりする。ハングルの発音を難しく感じる現地ファンによる、一種の知恵といえるだろう。ファン・ウィジョはそれほど特別な発音ではないからか、ボルドーではそのまま名前通りに呼ばれている。

ただフランス語は、アルファベット「H」の発音をミュートするため、「ファン(Hwang)」が「ワン(Wang)」と発音される。「ウィジョ」は「イジョ」に近い発音に聞こえる。つまり現地の発音では「ワン・イジョ」となり、これは韓国語で「王です」という意味だ。

「ここでは“王です”と聞こえるから、本当に王になれたら」と笑うファン・ウィジョは、「ヨーロッパに進出した友人たちが“最初にチームメイトと親しくなるのが一番重要だ”と教えてくれた。フランス語はまったくわからなくて選手たちと言葉がよく通じないが、短い英語であっても、できるだけたくさん話をしようと努力した。来週からはフランス語の勉強も始める。チームにいる現地の先生とフランス語を英語で学ばなければならない。英語も勉強しなければならなので、覚えることに終わりがない」と冗談を言った。

『スポーツソウル』の独占インタビューに応じたファン・ウィジョ

ファン・ウィジョの本格的な“ボルドー生活”は、これからが始まりだ。移籍直後、米ワシントンのキャンプ地にすぐ合流し、7月末まで滞在。ボルドーに戻ってからもすぐにオーストリアへ渡り、親善試合を行った。チームの海外スケジュールに合わせていると、時差ボケで眠れないときもあったという。

彼は「都市を探索する時間もなかった。今はホテルで生活しているが、その前にあるコーヒーショップに行ったのがすべてだ。時差にも少しずつ慣れてきて、すぐに住むところも決める。安定した環境でシーズンを準備することができそうだ」と話した。

ソウザ監督のオーダーは、2つのポジション

ボルドーを率いるポルトガル出身のパウロ・ソウザ監督は、ファン・ウィジョの移籍に決定的な影響を与えた人物といえる。当初、フランスで交渉を完了させようとしたファン・ウィジョの日程をアメリカ合流に変更したのも、司令塔の要請であった。そんな選手への信頼は、レギュラーシーズンまで続くと見られる。

ワシントンキャンプ合流2日目に行われたモンペリエ戦で、さっそくファン・ウィジョを後半途中から起用。以降の2試合はいずれも先発投入し、徐々に出場時間を増やしていった。ファン・ウィジョもプレシーズン最終戦で初ゴールを記録し、司令塔の期待に応えた。

(写真=ボルドー公式SNS)8月5日に行われたジェノアとの親善試合で入団後初ゴールを決め、祝福されるファン・ウィジョ

ファン・ウィジョに“マルチプレイヤー”の役割が与えられたことも、チームにおける立場を代弁する部分だろう。最前線で得点を担うストライカーの役割をしながらも、必要に応じて左右サイドでもプレーする計画だ。一言で、ボルドーの攻撃戦術の中核に浮上したわけだ。

ファン・ウィジョは「(同じポルトガル出身の)韓国代表パウロ・ベント監督と似たような感じだ。とても情熱的でありながら、細かい部分まで教えてくれる。僕の武器と改善すべき点を知らせてくれた。“ビルドアップ”を重視するスタイルも同じだ。ゴールキーパーから少しずつ段階を上げて、ゴール前で仕上げているサッカーを追求している」とし、「今年は“ワントップストライカー”と“ウイングフォワード”の2つのポジションでプレーすることになると聞いた。監督のカラーに合うサッカーをするために努力する」と約束した。

欧州で新たな挑戦「自分だけの武器を」

ファン・ウィジョが体験したフランス1部リーグ「リーグ・アン」は、想像以上だった。

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