メジャー生活を清算したオ・スンファンが韓国球界復帰を前提に、古巣サムスン・ライオンズと交渉を本格的に開始する。
コロラド・ロッキーズから戦力外通告を受けた後、自由の身となったオ・スンファンは7月29日に帰国して韓国に滞在している。
サムスンとオ・スンファン側は7月31日から復帰について本格的な交渉に突入した。
サムスンは「長引く交渉が絶対ではない。良い方向に結論が出ると思う」とし、オ・スンファンのサムスン復帰交渉がうまく帰結すると自信を示した。
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オ・スンファンのエージェントであるスポーツインテリジェンスのキム・ドンウク代表も「交渉をしてみないとわからないが、オ・スンファンとサムスンがお互いにウィンウィンできる方向に結論が出てほしい」と、早期に交渉が終わることを願った。両者ともに特に問題なく交渉が終わることを望んでいる。
オ・スンファンは肘の負傷を抱えている。手術も予定されていた。
ただ、キム代表によると、オ・スンファンの肘の負傷は思ったより深刻ではない。手術を受ける予定ではあるが、余裕を持って日取りを決めて治療の手続きに入る計画だという。
キム代表は「肘の状態は悪くない。手術後のリハビリ期間もそれほど長くないという。したがって手術も急がない計画だ」と明らかにした。
サムスン復帰の交渉が速やかにまとまる場合、交渉を終えた後に手術を受ける可能性も十分ある。サムスンに復帰するとしても、72試合はプレーできないので実戦投入時期に変化がないが、早期にリハビリを終えることができれば、より完璧な状態でコンディションを整えて実戦に臨めるという長所がある。
オ・スンファンは今季、メジャーリーグでは振るわなかったが、KBOリーグではトップクラスの威力を発揮できる底力がある。
サムスンもオ・スンファン獲得で表われる付随的なマーケティング収益のほかにも、ブルペンの中核戦力として活用し、強豪再建に向けて弾みをつけられる。
オ・スンファンを迎え入れて活用する計画があるなら、サムスンとしても彼のKBOリーグにおける懲戒消化のため、早いうちに交渉を終えてKBOリーグに登録した方が良い。
サムスンとオ・スンファン側のいずれも円滑で速い交渉の終結を望んでいる。負傷もひどくないことを確認した。結局、両側が望む“円満復帰交渉”の最終関門は「金額」になるものとみられる。
オ・スンファンは放出された状態なので、サムスンが前所属のコロラド・ロッキーズに別途に支払う義務はない。最近、チーム財政のベルトを引き締めているサムスンの立場としても、軽い気持ちで交渉に臨むことができる。
ただ、オ・スンファン側も、サムスン復帰を最優先にして交渉テーブルにつくが、無条件でサムスンの提示案には捺印しない見通しだ。
オ・スンファンは日本進出の際、フリーエージェント(FA)資格ではなかった。したがって、サムスンと複数年契約を結ぶことはできない。契約金のない単年契約のみ可能だ。
復帰が確定しても、今シーズンはリハビリと懲戒を消化するために実戦出場はできず、今年の年俸契約は低い金額、もしくは寄付形式で締結される可能性が高い。
カギはオ・スンファンが本格的に実戦に乗り出せる2020年シーズンの年俸契約だ。
今回の交渉テーブルで、来年の年俸に関する話も一緒にする確率が高い。オ・スンファンの今季の年俸250万ドル(約2億7000万円)だった。しかし、オ・スンファンの年齢と技量を計算したとき、これと似たような年俸は事実上不可能だ。
オ・スンファンが日本進出直前の2013年シーズンに受け取っていた年俸5億5000万ウォン(約5500万円)が、ひとつの基準になる可能性が高い。
結局、オ・スンファンの象徴性とこれからの活用価値を考慮し、それより高い10億ウォン(約1億円)前後の保障金額と追加オプションで、激しい駆け引きが続くものと見られる。
金額的な部分で双方の意見の隔たりが大きければ、交渉も長引くだろう。オ・スンファン本人の意志によって交渉の流れはいつでも変わる可能性がある。オ・スンファンの古巣チームへの復帰が、皆が望む通りに早期に行われるか見守りたい。
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