イ・ガンインはバレンシアからの“完全移籍”を希望…その背景と可能性は?

このエントリーをはてなブックマークに追加

イ・ガンイン(18・バレンシア)の移籍問題が新たな局面に入った。

昨シーズン、バレンシアと1軍契約を結んだイ・ガンインは今夏の移籍市場を通じて、新しい所属チームを見つける計画だった。現バレンシア司令塔であるマルセリーノ・ガルシア・トラル監督と相性が合わないからだ。

マルセリーノ監督は、守備的な4-4-2のフォーメーションを活用する。攻撃型MFが本業であるイ・ガンインには合わない。イ・ガンインは最前線と2列目を自由に行き来するとき、自分の能力を100%発揮できる。

MFとして試合に出た場合、守備の負担が大きく、フィジカルでも弱点を現わすようになる。サイドでプレーするには、スピードが足りない。だからといってマルセリーノ監督は、イ・ガンインを最前線に置く構想をすることもない。ずっとサイドに置いている。さらにバレンシアは、イ・ガンインの同じポジションのデニス・チェリシェフをビジャレアルから完全移籍させた。

マルセリーノ監督は昨シーズン、チームをUEFAチャンピオンズリーグに進出させ、スペイン国王杯(コパ・デル・レイ)優勝まで獲得した。チームを成功に導いただけに、彼の選択を尊重するしかない。

次のシーズンもイ・ガンインが主力としてプレーするのは難しいのが現実だ。

そんな理由からイ・ガンインは、移籍を選択した。実戦を通してこそ成長できる年齢であるため、バレンシアを離れるという構想だった。慎重な性格であるイ・ガンインが公然と移籍について話をするほど、切実に望んだ。

【関連】久保建英と対照的…イ・ガンインの“移籍問題”がなかなか解決しない最大の原因

形式は、レンタルが有力だった。イ・ガンインのバイアウト(契約解除違約金)は8000万ユーロ(約97億円)に上るため、完全移籍は難しい。まだトップチームの舞台で実力が検証されていない2001年生まれの若手選手に、それほどの巨額を投資するチームは多くない。

そのかわり、レンタルでイ・ガンインを希望するチームは少なくない。スペインからはレバンテとエスパニョール、グラナダ、オサスナ、そしてペク・スンホの所属するジローナまで、イ・ガンインのレンタル移籍について興味を示していることがわかった。

スペインの他にも、オランダの名門アヤックスがイ・ガンインを強く望んでいるとの報道が数回出ている。バレンシアもイ・ガンインがマルセリーノ監督の選択から遠ざかっていることを知っているため、新たなチームで過ごし、成長して帰ってくることを願った。

ところが7月18日、スペインのバレンシア地域紙『SUPER DEPORTE』から新たな報道が出た。

イ・ガンイン側からレンタルではなく、完全移籍を要請したという内容だった。1シーズンではなく、完全にバレンシアを離れたいという意外なニュースだった。

イ・ガンイン側から完全移籍を要求したということは、彼を希望するチームが明確にあると解釈していい。確保された行き先がないにもかかわらず、無理に移籍をリクエストするはずがないからだ。イ・ガンインの立場からも、レンタルではなく完全移籍を選択するほうが将来的に有用だろう。レンタルの身分では、クラブから受け入れられる待遇が違う。

イ・ガンインを迎え入れたいチームの名前は正確に報じられていないが、複数のクラブがイ・ガンインの完全移籍を望んでいるように見える。そのなかにはチャンピオンズリーグに進出するチームも含まれているという。

イ・ガンインはU-20ワールドカップでゴールデンボール(大会MVP)を獲得しており、自分の価値と可能性を証明した。大会が開かれたポーランドにはイングランドやドイツ、フランスなどのビッグクラブのスカウト、エージェントが多数訪れた。事実、バイエルン・ミュンヘンやパリ・サンジェルマンのようなクラブのスカウトが韓国戦を観戦した。

バレンシアの選択は?

スペインの現地報道によると、資金力のあるプレミアリーグの複数クラブも、イ・ガンインの移籍に関心を持っている。

前へ

1 / 2

次へ

RELATION関連記事

PHOTO写真

TOPIC「Netflix韓流トリオ」特集