「ロッテファンの応援から、むしろ大きな力をもらっています!」
“人気チアリーダートップ3”の1人に数えられ、全国区の人気を集めているアン・ジヒョンチは昨シーズン終了後、野球ファンの間で大きな話題となった。
チアリーダーを始めてからずっと所属していたネクセン・ヒーロズ(現キウム・ヒーローズ)を離れ、今シーズン開幕前にロッテ・ジャイアンツに移籍したからだ。アン・ジヒョンの移籍が伝えられた直後、ロッテファンの間では「シーズン前の最高の移籍」という賛辞が寄せられ、ネクセンのファンは残念がった。
ロッテ移籍後の初シーズンも、いつのまにか半分が終了した。まだ半分も残っているともいえるが、人気球団ロッテで過ごした日々を彼女がどう感じているのかが気になった。
ロッテのホーム球場である社稷(サジク)野球場でアン・ジヒョンに会い、さまざまな話を聞くことができた。
野球選手がそうであるように、チアリーダーもチームを移すことは容易ではない。アン・ジヒョンにロッテ移籍を決心したきっかけを聞くと、「挑戦」と話した。ネクセンと過ごした日々も意味深かったが、新しいチームで新しい応援文化を体験したいという気持ちがより強かったのだ。
アン・ジヒョンは、「2年前から移籍の話が出ていた。当時は冗談話だと考えた。でも時間が経つにつれて、新しい挑戦をしたいという思いが出てきた。球団ごとに応援のカラーや文化が違う。他のチームでもやってみたいという思いが生まれた」と、移籍を決意したきっかけを明らかにした。
韓国No.1チアリーダーとされるロッテ所属のパク・キリャンをはじめ、企業関係者と親交があったことで移籍話が具体化され、ロッテ移籍が現実になった。アン・ジヒョンは「タイミングが合った」と笑った。
首都圏の球団から地方球団に移籍すると、すべての環境が変わる。地方球団への移籍を経験した野球選手は、大きな負担として「移動距離による疲労」を挙げる。多くの体力を消耗する職業のチアリーダーも、影響を受けるしかない。
しかしアン・ジヒョンは、「私は独立したい思いが強い。今後について考えていた時期に、ロッテへの移籍が決まって良かった」と笑った。そして「長距離移動については、チーム長である(パク・)キリャンオンニ(姉という意味)がうまく調整してくれる。十分に休息を取れるように配慮してくれる」と付け加えた。
活発な性格に加え、パク・キリャンの配慮で無理なくロッテでのチアリーダー活動を続けている。
遠くから見てきたロッテの応援文化を直接体験してみた感想はどうか。
アン・ジヒョンは「ロッテはファンが多いだけでなく、その情熱も応援団を超えている。私たちも人間だから、成績が良くなかったり、惜しくも敗れたりしたときは意気消沈することもある。でもロッテファンは、そんなことを気にせずに応援し続ける。そんなところに、むしろ力をもらう。結果に関係なく、“楽しもう”という雰囲気がとても良い」と、ロッテファンの情熱を誇った。
ファンと一緒に応援を作るだけに、記憶に残るファンもいる。
アン・ジヒョンは、「私は舞台の上からファン一人ひとりを全員見るのだが、目立つファンがいる。男性の方なのに、汗をびっしょり流しながら熱心にダンスしている。とてもおもしろいし、むしろ私たちがその応援姿を見るようになった。舞台の上で一緒に応援をしてみたいと思うほど」と明るく笑った。
情熱的な応援とは異なり、今シーズンのロッテは最下位に沈んでいる。