シーズンが終わるまで、まだ100日も残っているが、“コリアンモンスター”への期待は収まらない。リュ・ヒョンジン(ロサンゼルス・ドジャース)は現在進行形で、韓国だけでなくメジャーリーグの歴史を新たに塗り替えている。
メジャーリーグの公式ホームページ『MLB.com』は6月26日(日本時間)、サイ・ヤング賞の模擬投票結果を発表し、「リュ・ヒョンジンが1位になった」と伝えた。35人の『MLB.com』所属の記者たちが模擬投票を行ったところ、リュ・ヒョンジンに27票が集まった。
アメリカンリーグのヒューストン・アストロズに所属するジャスティン・バーランダー(30票)に次ぐ票数で、メジャー全体で見ても2位。ナショナルリーグの投手としては1位だ。リュ・ヒョンジンは、6月21日に行われた米スポーツメディア『ESPN』のサイ・ヤング賞の中間調査でも1位になり、期待を高めている。
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『MLB.com』は「リュ・ヒョンジンは完璧に近い。シーズン99イニングを消化しながら被安打77、与四球6で、奪三振は90」と、1位に上がった理由を説明した。それとともに「2015年から2016年まで肩の負傷で1試合の登板にとどまり、ドジャースはリュ・ヒョンジンのキャリアが終わるかもしれないと判断したが、(復帰後)30試合で16勝4敗、防御率1.59と再起した」と述べた。
ワシントンのメディアが「サイ・ヤング賞候補」として紹介したマックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ )は、わずか8票にとどまった。
サイ・ヤング賞だけではない。
ドジャースの地元メディア『ドジャース・ネーション』は同日、「リュ・ヒョンジンはサイ・ヤング賞レースで最も人気が高い選手だ。しかし彼はサイ・ヤング賞とは別に、シーズンが終われば大きな契約を成し遂げることが確実だ」と主張した。
『ドジャース・ネーション』はその理由として、「自分の6年目となる今シーズンを歴代最高の年にしている仁川(インチョン)出身の韓国人左腕は、今シーズン防御率1.27、WHIP(1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数字)0.939、32連続イニング無失点、11試合連続クオリティ・スタート(先発投手が6イニング以上を投げて自責点を3点以下に抑えること)を記録した」と述べた。
同メディアも「肩と肘、脚の付け根などの負傷で3シーズンほどリハビリをしていたリュ・ヒョンジンは、昨年後半から圧倒的な姿を見せている」と、負傷を乗り越えて再起に成功した点に注目した。
実際にリュ・ヒョンジンはこの日の時点で、ナショナルリーグの最多勝、防御率、WHIPで1位に立っており、三振/四球比15(90/6)はメジャー1位だ。『ドジャース・ネーション』は、「リュ・ヒョンジンは今シーズンを前にクオリファイング・オファーを受け入れ、1790万ドル(約19億円)を獲得した。今年、このような活躍を広げているという自体が信じられない」とした。
そして「リュ・ヒョンジンはドジャースが支払った対価を超える活躍を見せている。サイ・ヤング賞とは別に、リュ・ヒョンジンはシーズンが終われば大きな契約を手にする」と伝えた。
現地メディアの期待通り、リュ・ヒョンジンがシーズン終了まで現在の成績を維持し、サイ・ヤング賞を受賞すれば、メジャーリーグ史上初のアジア選手によるサイ・ヤング賞受賞者として、その名を残すことになる。新たな歴史が生まれるということだ。
誰よりも徹底的にシーズンを準備して、結果で健在を証明する“コリアンモンスター”に、世界が注目している。
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