U-20ワールドカップで韓国が成し遂げた“ポーランドの奇跡”は、経験と実戦を通じて作られた歴史だ。
Kリーグのユース育成に向けた努力は具体的かつ計画的だ。単にチームで良い選手を育てる目標に止まらず、どうすれば若い選手たちをより効果的に成長させるかについて研究している。
代表的な結果物がKリーグ・ユースチャンピオンシップだ。
夏季トーナメント大会であるチャンピオンシップは2015年から始まり、毎年開かれている。Kリーグ傘下のユースチームがすべて参加する舞台として発足後、韓国国内最高のユース大会として位置づけられた。
14歳、15歳、17歳、そして18歳以下に細分化され、計4つの年齢別大会として行われている。
各年代ごとにグループリーグを経てトーナメントを行う方式は、国際大会の試合方式と同じだ。Kリーグ・ユースチームだけで競争する大会だけに互いのプライドをかけた争いが激しい。
決勝戦は、Kリーグの代表的な試合会場である浦項(ポハン)スティールヤードで開かれ、選手たちの間では最も優勝したい大会とされている。
(参考記事:システムと自己革新が重要…Jリーグの好況が教えてくれる“教訓”とは?)
韓国プロサッカー連盟はGPSを活用したトラッキング・システムを導入し、先端技術を使った分析映像も提供している。
若い選手たちには経験が財産だ。チャンピオンシップのように重みのあるトーナメントをユース年代から経験すれば、実力はもちろん、その後の大会に臨む際にも大いに役立つ。U-20ワールドカップ準優勝の主役たちもこのチャンピオンシップを通じて、トーナメントのノウハウを学んだ。
Kリーグのユースチームは相対的に多くの国際大会を経験している。
チャンピオンシップ優勝チームは、国際大会への参加が支援される。昨年は蔚山現代の下部組織的な位置づけとなる蔚山現代高校、水原三星の下部組織的な位置づけである水原メタン高校が、それぞれ長野、大阪へ発ち、他国の選手たちと競争した。
メタン高校は2017年ユースクラブ賞を受賞してカタールで開かれた国際大会にも参加した。 昨年のユースクラブ賞受賞チームの蔚山現代高校はアメリカ遠征を実施した。
U-20ワールドカップ準優勝の主力であるオ・セフン、キム・ヒョンウ、チェ・ジュンなどは2017年にクロアチアで開かれた国際大会に参加して優勝を獲得した。
当時、蔚山は航空料を直接負担することを甘受して現代高校の選手たちを送った。蔚山現代のキム・ヒョンヒ事務局長は「大会に参加するチームの面々を確認した後、送ろうと思った。航空券代も良い授業料だと思った」と振り返る。
結果的に、クロアチア遠征に出た選手たちは良い経験を積んでおり、キム・ヒョンウの場合、印象的な活躍を見せてディナモ・ザグレブに移籍する成果を上げた。U-20ワールドカップ成功の隠れた要因とされている。
チャンピオンシップが短期決戦の経験なら、3~10月に行われているKリーグ・ジュニアは、長期大会のノウハウを身にできる。相対的に結果より過程に集中できる大会だ。今年から高校の部は、前期成績によってA組・B組に11チームずつ分けられ、実力が拮抗しているチーム同士が競争する方式で進められる。
ユースチームだけではなく、Kリーグでも有望株育成の努力が続く。
Kリーグには22歳以下選手の義務出場規定がある。少なくとも2人が出場リストに入らなければならず、そのうち1人は先発に入らなければならない。強制的だとしても若い選手に機会を与えなければならないという強い意志が反映された結果だ。
この規定を通じて、チョ・ヨンウク(ソウル)、チョン・セジン(水原)、イ・ジソル(大田)、パク・テジュン(城南)、オム・ウォンサン(光州)らが着実に試合に出場できている。有望株を育てるためのKリーグの制度が、U-20ワールドカップの成果につながったといっても、決して過言ではないだろう。
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