U-20ワールドカップを通じて証明されたのはKリーグのチカラだった。
U-20ワールドカップで決勝進出したU-20韓国代表の主軸はKリーガーだった。21人の最終エントリーのうち15人がKリーグ・クラブ所属で、Kリーグ傘下のユースチーム出身にその枠を広げると18人にもなった。
2013年にトルコで行われた2013年U-20ワールドカップではKリーガーは6人、2017年韓国大会では7人だった。そんな中で今大会では最終エントリーの70%以上をKリーガーが占めたわけだ。
地道に続けてきたKリーグのユース・システムと有望株成長のための努力が実を結んだ結果ともいえるだろう。
(参考記事:欧州トップリーグでプレー!! “韓国のメッシ”だけじゃない「注目株」10人を一挙紹介)
Kリーグが10年以上前から進めてきたユース・システムの効果が徐々に表れている。
韓国プロサッカー連盟は2008年からKリーグ全クラブにユース・システム(U-12/U-15/U-18)を確立させ、有望株たちが安定的な環境で成長できる土台を築くことに注力した。
また、2008年からはKリーグ・ジュニアリーグを運営。2015年からは夏場にKリーグ・ユース選手権を開催するなど、有望選手たちの育成に力を入れてきた。
ユース・システム活性化によって、今シーズンのKリーグ1のチーム別平均ユース出身選手の比率は31.9%までになった。スペイン(23.7%)やフランス(19.4%)などに比べても高い数値だ。
各チームの有望な若手選手たちがピッチに立てるよう実質的な措置も設けている。
Kリーグは2013年から、ベンチ入りできる18人の出場選手エントリーリストに、23歳以下(U-23)選手を1人は義務的に含むようにする規定を新設。今年は22歳以下(U-22)選手2人をエントリーリストに含めることを定めており、そのうち1人を先発出場させることと、改めた。
若い選手たちの義務出場規定は、来季からさらにアップグレードされる。
これまで義務出場規定が適用されなかった軍隊チーム(尚州尚武)も、他のチームと同様、来シーズンからは義務出場の規定に従わなければならなくなるのだ。
これまでは軍隊チームの特殊性を考慮して、尚州尚武と対戦するチームも22歳以下の選手を義務的に使わなくても良かったが、来年からはすべてのKリーグの試合でU-22の義務出場規定が適用されることになる。
2016年から再開されたRリーグ(リザーブ・リーグ/2軍リーグ)も、各チームの新人クラスには実戦経験を積める場として良い舞台となっている。
韓国プロサッカー連盟は、Rリーグでより多くの有望選手たちが出場機会を得られるように、各チームの先発イレブンのうち、23歳以上の選手の起用は最大5人までに制限している。
Rリーグの活性化とU-22の義務出場規定によって、有力選手たちのプロ入団年齢が低くなっている傾向もある。
4~5年前までは、大学1~2年生を終えてプロに飛び込む者が大半だったが、最近はユースチームと高校で頭角を現した有望株たちが、高校卒業後そのままプロに直行する事例が増えている。
U-20ワールドカップ・メンバーの中で、イ・グァンヨン(江原FC)、キム・ジュソン(FCソウル)、イ・ギュヒョク(済州)らはまだプロデビューしていない。
U-20ワールドカップにおける活躍で、所属チームでの期待も高まっているが、チーム内の競争を勝ち抜くことができなければ、ベンチ生活を余儀なくされる。
江原FCのキム・ビョンス監督は「我々は優秀な選手たちに出場機会を与えている。イ・グァンヨンとイ・ジェイクもトレーニングで良いプレーを見せてこそ、出場機会をつかむことができる」と話していた。
今大会の最終エントリー21人のうち、Kリーグ1所属は9人だった。
このうち、チョ・ヨンウク(ソウル)、チョン・セジン(水原)などが所属チームで定期的に出場機会を与えられている。U-20ワールドカップを消化した選手らがさらに発展するためには、ピッチに立ちプレーすることがもっとも重要だ。どんな舞台でもプレーできる環境が整ってこそ、成長速度が速くなる。
結局、有望株の成長のためには、各クラブの決断と全面的な支援が必要だ。では、どんな支援が必要なのか。