韓国対イランの親善試合、ベント・コリアは合格点だが課題も見えた【集中分析】

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サッカー韓国代表が6月11日、アジア最強のイランと対戦し、本来の4バックに戻した。

ペク・スンホを守備的MFとして若干下げ、変形4-4-2で臨んだ韓国は、スピードとパスワークを発揮した。

結果は1-1で引き分けに終わったが、イラン戦での久しぶりのゴールを味わった。

2022年カタールW杯アジア2次予選を無難に通過できるという手応えを見せた。

4バックに戻した韓国、ビルドアップとスピードは問題なし

韓国は6月7日に行われたオーストラリアとの親善試合で、3バックを試みた。パウロ・ベント監督就任後、3バックを試したのは2回目だった。オーストラリアが1.5軍で臨んだため、ベント監督もプランBをチェックしようとする意図が大きかった。オーストラリア戦では1-0の勝利を収めたが、攻撃は苦しく、有機的なプレーが消えて批判を受けた。一方で、3バックの戦術が1~2度のテストでは難しいことも証明された。

さらに手強いイランを迎え、ベント監督は4バックに戻したが、ひとまず合格点だったといえる。KBSハン・ジュンヒ解説委員は、「どうしても慣れたフォーメーションで臨んだだけに、ビルドアップの完成度が上がり、チームのスピードも速くなった。オーストラリア戦とは別のサッカーをしている」と評価した。ファン・ウィジョの先制ゴールも、スピードのなかで生まれた。

先制ゴールを決めたファン・ウィジョ

3バックでは、代表引退したキ・ソンヨンのように、ボールをキープしながらさばけるボランチが必要だ。今回のイラン戦ではAマッチデビューを果たしたペク・スンホが攻守の接続をこなしながら、前方のファン・インボムとソン・フンミンがビルドアップに加勢した。

Aマッチデビューを果たしたペク・スンホ

ただし、昨年のロシアW杯でスペイン、ポルトガルと対等に戦ったイランと真っ向勝負をしてみると、4バックの後のスペースが何度か空いたのも事実だった。センターバックのキム・ミンジェの個人能力で、失点の危機を免れた場面もあった。

エースよりもヘルパー、ソン・フンミンのジレンマ

韓国の2トップ戦術のジレンマが、ソン・フンミンだ。所属チームであるトッテナムではゴールを奪って試合を決めるソン・フンミンだが、韓国代表チームに来れば“ヘルパー”を自ら要望しているからである。彼は今回のAマッチ招集期間にも、「仲間の選手たちを助けるプレーに神経を使う」と話した。

【関連】サディオ・マネに続き伊メディアも…ソン・フンミンの“レアル移籍説”が再浮上

ソン・フンミンはこの日、左サイドからオーバーラップするホン・チョルに長いパスを出したり、ナ・サンホを上げて自らが下がったりするなど、献身的なプレーに多くの時間を割いた。ソン・フンミンのこうした動きは理解できる。彼にボールがわたると相手選手2~3人がマークするからだ。トッテナムではハリー・ケインやクリスティアン・エリクセンなど、技術が高く爆発力の優れた選手が周りにいる。しかし韓国代表ではそうではない。

前半終了後、ピッチから起き上がれなかったソン・フンミン

ソン・フンミンはイラン戦でプレーの幅は広げたが、ゴールゲッターとしての脅威は減った。もちろん強力な左足シュートを放つなど、得点への意欲も見せたが、彼の得点力を生かす方法が切実となった。1年間の“強行軍”でプレーしたソン・フンミンは前半直後、ピッチで一時起き上がれず、目を引いた。

コーナーキックから失点…“落とし穴”

CKの守備は、解決しなければならない大きな課題だ。韓国はファン・ウィジョの先制点から、わずか4分後に失点した。相手CKからボールがキム・ヨングォンの体に当たり、転がってゴールネットを揺らした。

ベント監督は、2014年に赴任したウリ・シュティーリケ前監督と同じように、CKの守備時、選手たちをゴールラインに立たせて、それぞれが守るべきエリアを担当する“エリア防衛”を使う。これは子供の頃からその習慣がある選手たちからすれば、手慣れたものだろう。

だが韓国サッカーの風土で育った選手たちにとっては、“落とし穴”になることがある。韓国では伝統的にセットプレーの際、1対1で守るマンマークを基本とする。今回のオウンゴールも、守備エリアに対する確実な約束が不足して生じた虚しいシーンだ。

コーナーキックから失点した韓国

得点力が韓国より劣るアジア2次予選では大きな問題にならないかもしれないが、最終予選を前に“エリア防衛”の細かい練習が要求される。

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