サッカー韓国代表としてAマッチ5試合に出場したチャン・ハギョンが、八百長の容疑で逮捕されたことが明らかになった。
韓国プロサッカー連盟のキム・ジンヒョン広報マーケティングチーム長は10月14日、「チャン・ハギョンが先月末に拘束されたことをすでに知っていた」とし、次のように明かした。
「彼が抱き込んだ牙山(アサン)ムグンファFCのイ・ハンセムが、八百長の要求を振り払い、韓国プロサッカー連盟の不正防止教育マニュアルに沿って即時申告するなど良く対処し、チャン・ハギョンが現場で逮捕された」
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チャン・ハギョンは韓国Kリーグ2部の釜山アイパーク対牙山ムグンファ戦の前日である9月21日午後10時、牙山の宿舎である釜山のコモドホテルに部屋を取った後、イ・ハンセムと会い、現金5000万ウォン(約500万円)を渡して八百長を提案した。
チャン・ハギョンはイ・ハンセムに、「試合開始25~30分以内に反則して退場しろ」と注文した。
しかし、イ・ハンセムはこれを断った後、牙山に直ちに報告した。牙山は24時間稼動する連盟ホットラインに届け、さらに釜山中部警察署にも通報した。現場に出動した警察は、事件発生からわずか3時間後の22日午前1時、チャン・ハギョンを緊急逮捕した。
警察は八百長の提案があったホテルのCCTVで、チャン・ハギョン容疑者の仲間と見られる別のブローカーが5000万ウォンを受け取って外へ出る場面を確認。共犯者の捜査を続けている。共犯とされた人物は全員、海外に逃走しているという。
韓国国内で合法的に認められたスポーツtotoに、選手の退場の有無を賭けるゲームはない。そのため連盟と警察は、チャン・ハギョンが海外に本拠を置く不法賭博組職と関わった可能性が高いと見ている。
不法賭博の場合、試合中の特定選手の警告や退場、得点などをめぐってゲームが行われる。野球の場合、ストライクやボールの判定でも大金がやり取りされる。
チャン・ハギョンは2004年に城南(ソンナム)FCの前身である城南一和に入団。サイドバックとしてプレーし、昨シーズンに引退した。2006年には代表に選ばれ、Aマッチに5回出場したこともある。真面目に現役生活を続け、サッカー界でも評判が良かった。
それだけに、引退から1年も経たないうちに八百長のブローカーに変身したことは、衝撃を与えている。
チャン・ハギョンの八百長関与は残念だが、イ・ハンセムの対処は100回称賛されて当然だ。Kリーグは2011年に八百長が起こり、リーグ存続の危機にまで追い込まれたことがある。
キム・ジンヒョンチーム長は、「連盟は毎年、20~30回ずつ不正防止関連のメールをKリーグのすべての選手に送っており、定期教育も4回行っている」とし、「イ・ハンセムと牙山がマニュアルを模範的に守っていることには励まされる。不正防止教育の効果が明らかになった事件だ。イ・ハンセムの即時の通報がなければ、警察はチャン・ハギョン容疑者を逮捕するのも難しかっただろう」と語った。
連盟はこの事件をサッカー界に直ちに知らせようとしたが、警察側の「八百長の黒幕を捕まえるためには静かに捜査した方がいい」という意見を尊重し、これまで隠してきた。
ただし、チャン・ハギョンがブローカーの役割をしたため、イ・ハンセム以外の現役選手にも八百長を提案した可能性などは残っている。警察の捜査結果を見守らなければならない。
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