“ゴルフ女帝”パク・インビと、“長打女王”ユ・ソヨンが韓国取材陣の前に並んで座り、東京五輪に対するビジョンを話した。
パク・インビとユ・ソヨンは、5月15日から行われる韓国女子ツアー「斗山マッチプレーチャンピオンシップ」(賞金総額7億ウォン=約7000万円)に出場するため、久しぶりに韓国の地を踏んだ。大会開幕前日の5月14日に開かれた記者会見に出席した2人は、「機会が与えられれば来年のオリンピックの舞台に立ちたい」と口をそろえた。
2016年リオ五輪で金メダルに輝いたパク・インビは、「リオのときは4年後(の東京五輪)まで競技力を維持できるか疑問だった」とし、「いざ近づいてみるとやってみたいという考えが浮かんだ。メダルを取るのと同じくらい韓国代表に選ばれるのは難しいので、今後1年の結果が重要だ」と話した。
また「たとえその機会がなくても誇らしい後輩たちを応援する。そんなポジションにいるだけでも感謝したい」とし、オリンピック金メダリストとして威容も感じさせた。
ユ・ソヨンは親しい先輩、パク・インビを通じてオリンピックの価値を再確認したと述べた。彼女は「リオのときは選手の立場から、オリンピックよりも他のメジャー大会のほうがはるかに権威のある大会だと思っていた。オリンピックに出場したいけど、どれだけ大きな大会なのかピンときていなかった」とし、「インビオンニ(お姉さん)が金メダルを取った後の歩みを見ながら、メジャー大会優勝以上のインパクトを感じた」と話した。
特にゴルフをよく知らない人もパク・インビの金メダル獲得を絶賛したことを強調し、ユ・ソヨンは「オリンピックが“ゴルフ大衆化”に影響があることを感じた。キャリアを積みながら、そのような部分に影響を与えるほど光栄なことはないと感じた」と述べた。
オリンピックは、ひとつの国から最大2人が出場できる。しかし世界ランキング15位以内に3人以上のプレーヤーを持つ国は、最大4人まで出場可能だ。現在の世界ランキングで見ると、コ・ジンヨン(1位)、パク・ソンヒョン(3位)、パク・インビ(6位)、キム・セヨン(9位)に東京五輪の出場資格がある。ユ・ソヨンは現在12位で、上述した選手1人を追い越さなければならない。
特にパク・インビは2024年パリ五輪に向けて、テコンドーのムン・デソン、卓球のユ・スンミンに続き、韓国人3人目の「国際オリンピック委員会(IOC)アスリート委員」(IOC選手委員)に挑戦する意向を示した。
116年ぶりにリオ五輪で復活したゴルフ種目で金メダルを獲得し、“ゴールデン・キャリア・グランドスラム”(オリンピック+米国女子ツアー4大メジャー大会優勝)を成し遂げた彼女の業績に加え、英語能力まで考慮すると、十分に挑戦するに値する。東京五輪に出場してこそ、その資格が与えられるため、ランキング管理が必須だ。
パク・インビは「IOC選手委員になるチャンスがあること自体が珍しいこと。不可能をやり遂げる感じだろう」とし、「まず東京五輪に出場する必要があるので出場資格を得て、その後に考えること」と慎重だった。それだけに、オリンピックが彼女の人生において大きな意味を持つことがうかがえた。またゴルフがオリンピック正式種目として定着するためには、パク・インビのような存在は大きな力になる。
記者会見に先立って行われた組み合わせ抽選で、パク・インビはチャン・ウンス、イム・ウンビン、ホ・ダビンと同じ第1組、ユ・ソヨンはキム・ジャヨン、キム・ミンソン、イム・ヒジョンと第2組に入った。「斗山マッチプレーチャンピオンシップ」は、64人が出場、16組に分かれ組別リーグを行った後、各組1位が16強に進出して決勝トーナメントで優勝者を決める。パク・インビは昨年、同大会で優勝した。ユ・ソヨンは2009年大会で9ホール延長の死闘を繰り広げながら優勝したことがある。
パク・インビは「若い選手の活気が満ちていて難しい試合になるだろう」とし、「今シーズンのショットの感覚は良いのだが、パットが惜しかった。大会のグリーンはアメリカのメジャー大会と比較して遜色がないが、パッティング感覚を今週中に取り戻したい」と語った。
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ユ・ソヨンは「昨日インビオンニと練習ラウンドをしたが、久しぶりに(延長戦を繰り広げた)ホールを見ると新鮮だった」とし、「アメリカでメジャー大会に出場するときに、当時をよく思い出す。そのときの優勝がキャリアを積む助けになっている」と、気持ちの良い記憶を今回も生かすことを強調した。
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