「一度こぼしてしまった水は再びくみ取ることはできないように、僕の過ちも消せない。野球だけうまくやっていればいいということでもない。力になる限り、良いことをたくさんしながら生きていこうと思っている」
カン・ジョンホは最近、韓国の江原道(カンウォンド)の山火事で被災した地域のために、数千万ウォンを寄付した。
災難・災害救護団体である“希望ブリッジ全国災害救護協会”に3000万ウォン(約300万円)を寄付し、消防官の福利増進と権益向上を目標に設立された民間非営利団体である韓国消防福祉財団にも、1000万ウォン(約100万円)を寄託した。その理由をカン・ジョンホは語る。
「アメリカで山火事の話を聞いて心が痛かった。被害に遭った方々、そして苦労した消防士の方々に少しでも役に立てれば」
カン・ジョンホは2015年のMLB進出以降、さまざまな団体に巨額の寄付をしてきた。アメリカの就労ビザを受けることができず、韓国国内でトレーニングしていたときも野球少年と独立リーグ選手たちを対象に寄付をし、用品支援もした。
紆余曲折を経て再びMLBの舞台に帰ってきたカン・ジョンホは今季、2年の空白が嘘のようにオープン戦から猛打を振るった。
オープン戦16試合で7本塁打、11打点、OPS(出塁率+長打率)1.113を記録。レギュラーとして三塁手の席を確保したなか、シーズン開幕を迎えた。
ただ4月11日現在、10試合に出場し、打率0.133、1本塁打、4打点にとどまっている。カン・ジョンホは語る。
「まだ10試合を行っただけだ。不振について語るのは早い時期だ。天気がまだ寒くて、バットが最後まで回らない感じだ。暖かくなればもっといい姿をお見せできそうだ」
オープン戦が行われたフロリダなどに比べて、ピッツバーグとシカゴなどは4月になっても依然として肌寒い。
韓国から遠く離れたアメリカで活躍しているカン・ジョンホを支えているのは何か。
MLBでプレーしている韓国人はもちろんアジア選手の中で、主力内野手として活躍しているのはカン・ジョンホだけだが、彼はこんなことを語った。