日本のスポーツ界で今、最も有名な韓国スポーツは何か。かつてはサッカーが最も有名で、WBCが盛り上がったときには韓国野球にスポットライトが集まった時期もあった。日本の国民的アイドルである浅田真央のライバルだったキム・ヨナも有名人だが、近年は韓国女子プロゴルファーたちが有名である。
昨季初来日したアン・シネは“セクシークイーン”という呼び名でセンセーションを起こしているし、今年は日本で写真集を発表。それも韓国では見せたことがない水着姿を披露しているのだから驚く。アン・シネは昨年、週刊誌グラビアも飾り、日本のバラエティ番組に多数出演するなどしているが、今や韓国女子プロたちの人気は単なるプロゴルファーの域を超えているといっても過言ではない。
こうした韓国女子ゴルフ人気の火付け役となったのは、韓国では“スマイル・キャンディ”の愛称で親しまれたイ・ボミである。2011年から日本でプレーするイ・ボミは、その愛くるしい笑顔と熱心なファンサービスで日本のゴルフファンたちの心を掴み、2015年と2016年には日本ツアー賞金女王にも輝いているが、その人気ぶりは突出しているといえるだろう。
例えばメディア報道の量だ。
イ・ボミが出現する前までは韓国人プロが優勝しても新聞や雑誌で話題になることは少なかったが、数年前からイ・ボミの動向は試合成績にかかわらず必ず話題になる。前日に何を食べたか、今日は何を食べるのかといったことまで記事になるほどだ。最近はアン・シネが「何を食べ、明日はどんなウェアを着るか」ということが定番記事になっているが、そうした些細なことでも報じられようになった韓国人プロは、イ・ボミが初めてだった。
韓国人女子プロゴルファーが日本で写真集やエッセイを発表したのもイ・ボミが初。日本企業がスポンサーになったり、私設ファンクラブが出来たのもイ・ボミが初である。
何よりも特筆すべきは、イ・ボミの知名度がゴルフ界だけに止まらず、その名が一般にも広く知れ渡っていることだろう。