「とても驚いた。 こんなにたくさんいらっしゃるなんて」
3月21日夜、日本の東京ドームホテル地下1階オーロラホールで現役引退記者会見を開いたイチローは、場内に入るやいなや、口をぽかんと広げて驚いた様子だった。
マイクの前に立った時間は深夜12時を10分後に控えた夜11時50分。真夜中だった。
東京ドームで行われたMLB開幕シリーズ2連戦は、イチローの現役引退試合になるという見解が支配的だった。
予想通りシアトル・マリナーズとオークランド・アスレチックスの試合開始1時間余りを控えてMLB関係者は筆者に耳打ちした。
「今日の試合後、イチローが引退発表をしそうだ」と。
そして試合が7回に入ったとき、広報関係者がイチローの引退記者会見の案内資料を取材陣全体に伝達した。
案内文には、「東京ドームのプレスカンファレンス場所が手狭なので、近くの東京ドームホテル地下1階で記者会見を開くことにした」と記されていた。
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8回が終わったとき、両チームのスコアは4対4で拮抗していたが、大多数の取材陣は記者会見場に移動した。試合終了後では一度に多くの取材陣が集まるものと予想され、早くも席を立ったのだ。
試合の結果は事実上、重要ではなくなった。イチローの最後の瞬間を逃すまいとする取材熱気でいっぱいだった。
ところが、あいにく両チームの試合は延長戦までもつれ、12回延長まで勝負を繰り広げた末にマリナーズがアスレチックスを5対4で下した。
印象的だったのは、東京ドームホテルに集まった200人余りの取材陣のほとんどが、記者会見場のドアの前に整列して2時間近く待機していたことだ。
韓国ではどのような記者会見であれ、ほとんどの場合、取材陣を先に場内に入場させ、席を取らせるのが一般的だ。しかし、イチローの引退記者会見は、不便であっても取材陣が長時間待たなければならなかった。ホテル関係者は言った。