ひとまず大抜擢したのだから、どのように起用するのか注目せざるを得ない。
サッカー韓国代表パウロ・ベント監督は3月のAマッチを控えて、2001年生まれの有望株イ・ガンイン(18・バレンシア)を大抜擢した。ベント監督は「基本的な能力が良い。代表チームにどのように溶け込めるか確認したい」と、招集した理由を説明した。
注目は起用法だ。
イ・ガンインは1軍デビューして、3カ月が過ぎた。デビュー後にずっとプレーしたポジションは左サイド。バレンシアのマルセリーノ・ガルシア・トラル監督は、4-4-2のフォーメーションを好む。イ・ガンインはまだフィジカルが完成しておらず、守備力も不足するため、中央MFの役割は難しい。だからといってFWの選手でもなく、ツートップで起用することも微妙だ。
マルセリーノ監督は結局、イ・ガンインをサイドに配置している。イ・ガンインも自分の役割を果たしているが、快適なポジションとはいえない。
イ・ガンインは2軍時代、主に中央のMFとしてプレーした。4-2-3-1、あるいは4-1-4-1の2列目の中央でプレーしたり、4-3-3の攻撃的なMFを担ったりした。足は速くないが、ボールをキープする能力が優れている。ドリブルも上手く、狭いスペースで創造的なプレーをする。イ・ガンインに攻撃的MFは、最もよく似合うポジションだ。
昨年6月、イ・ガンインは21歳以下の選手が参加するトゥーロン国際大会に出場した。韓国はグループリーグ全敗で脱落したが、イ・ガンインは大会ベストイレブンの攻撃的MF部門に名前が挙がった。
U-20韓国代表のチョン・ジョンヨン監督は、イ・ガンインの能力を最大化するために、2列目の中央に配置した。イ・ガンインは最も快適にプレーできるポジションで、存分にパフォーマンスを発揮した。
ベント監督は基本的に、4-2-3-1を使う。イ・ガンインはそこで、攻撃的MFとしてプレーする可能性が高い。ベント監督はそのポジションを重要視する。追求しているパスサッカーの核心といえるからだ。
しかもベント監督就任後、そのポジションで明確な存在感を示した選手はいない。ク・ジャチョルやイ・チォンヨン、ファン・インボムなどが攻撃的MFとしてプレーしたが、100%満足できる結果ではなかった。もしイ・ガンインがそこで目につく姿を見せれば、ベント監督の悩みがひとつ解消することになる。
ただ、サイドに配置する可能性も排除できない。ベント監督は、もともとウインガーではない選手も、しばしばサイドで使う。
イ・ジェソンは代表的だろう。彼は中央でプレーする選手だが、ベント監督のもとではサイドMFも担っている。ストライカーのナ・サンホも、サイドにポジションを移してテストを受けた。
ベント監督のサッカーでサイドMFは、ファン・ヒチャンのような直線的な突破を求められることもあるが、中央に移動しながら攻撃の糸口を見つける役割も果たす。技術力があり、創造的なイ・ガンインをサイドに配置すれば、クォン・チャンフンやファン・インボムとの相乗効果を期待することもできる。
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ベント監督は、「イ・ガンインは複数のポジションでプレーすることができる。どのポジションで最高のプレーをするのか、チームに貢献するのかを確認しようと思う」と述べた。
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