これは昨年にアン・ソンジュに抜かれるまでは、日本にやってきた韓国人選手として最多記録だった。
韓国では国外ツアー20勝でも永久シード権が与えられるため、全美貞は日本でその条件を満たしたことにもなる。まさに日本で活躍したことによって、母国での栄光も手にした選手といえるだろう。
2018年シーズンは、「Tポイントレディス ゴルフトーナメント」と「スタンレーレディスゴルフトーナメント」の2位が最高成績。2019年は韓国ツアー初戦の「Taiwan Women`s Golf Open with SBS Golf」で優勝し、幸先の良いスタートを切ったが、日本でも結果を残せるか注目したい。
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◇韓国ゴルフ記者が明かす取材裏話
全美貞は韓国人選手でありながら流暢な日本語を話す。
授賞式や優勝スピーチでも通訳を介さずに日本語を駆使して自分の思いをストレートに語る。日本語のうまさでも韓国女子の中でダントツだが、聞けば「ときたま個人レッスンを受けつつ、独学で日本語をマスターしました」という。
それもその勉強法は独特だ。「『天空の城ラピュタ』や『ハウルの動く城』など、宮崎駿監督のアニメを家でもツアー中の宿泊先でも流しっぱなしにしたりして(笑)、自然と日本語を覚えていった感じです」という。アニメが日本語習得に役立ったというのだ。
日本の文化もこよなく愛する全美貞。今後もベテランらしい味のあるプレーを期待したい。
◇プロフィール
■全美貞
■1982年11月1日生まれ
■韓国・大田市出身
■175cm
■68kg
■フリー