最年長者だけが残った。個人トレーニングで新シーズンへの準備を進めているチュ・シンス(38)の話だ。
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昨シーズン限りでテキサス・レンジャーズとの契約が終了し、FA(フリーエージェント)となったチュ・シンスは、2月15日(日本時間)時点で所属球団が見つかっていない。
米メジャーリーグ(MLB)各球団が23日前後から春季キャンプを始めるという点を考慮しても、タイムリミットは残り10日もない。
ただ、チュ・シンスの去就は1週間以内に決まる可能性が高い。いくつかの球団が関心を示しているだけでなく、チュ・シンス側も厳しい条件提示していないため、選択の時間は早く訪れるものとみられている。
2005年にシアトル・マリナーズでMLBデビューを果たしたチュ・シンスは、今年でプロ17年目を迎える。クリーブランド・キャバリアーズ時代の2009年からの11年間、着実にMLBの舞台で活躍してきたベテランなだけに、チーム再建に重点を置く球団にとっては欠かせない存在となるはずだ。
チュ・シンスはレンジャーズ時代、エイドリアン・ベルトレ(41)とともにダッグアウト・リーダーとして数年間存在感を見せた。これまでサイクルヒットや2シーズン連続打率3割&20本塁打20盗塁を達成するなど、アジア人メジャーリーガーとして成し遂げた業績もはっきりしている。リーダーが必要なチームにとって、獲得しない理由はない。
現役生活の最後を健康な姿で終えることがチュ・シンスの目標だ。自ら「苦労した」と称賛できるラストが、現役延長を望む最大の理由だ。
コンディションやパフォーマンスには自信がある。現地では古巣のマリナーズをはじめ、シカゴ・ホワイトソックスやミルウォーキー・ブルワーズなどが候補に挙げられている。外野手を主戦場とするチュ・シンスの特性や年齢などを考慮すれば、指名打者制度のあるアメリカン・リーグに移籍する可能性が高い。
チュ・シンスが新天地を見つけ出せば、新シーズンのMLBは韓国人メジャーリーガーの競演場に生まれ変わる可能性が高い。
リュ・ヒョンジン(33、トロント・ブルージェイズ)、キム・グァンヒョン(32、セントルイス・カージナルス)、チェ・ジマン(29、タンパベイ・レイズ)の3人は、すでにチーム内で主力の地位を固めている。
新たにサンディエゴ・パドレスに加入したキム・ハソン(25)は、内野手のレギュラーポジションを狙う。レンジャーズとスプリット契約を結んだヤン・ヒョンジョン(32)も念願のMLB入りを目指している。
また、パク・ヒョジュン(24、ニューヨーク・ヤンキース傘下)やペ・ジファン(21、ピッツバーグ・パイレーツ傘下)といったマイナーリーガーも、昇格に向けて汗を流している。
彼らをリードする最年長者の役割がいつになく重要だ。チュ・シンスの選択の時間は徐々に迫っている。
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