本紙『スポーツソウル』は2月8日午前、「トム・ブレイディ率いるタンパベイ・バッカニアーズが、ディフェンディング・チャンピオンのカンザスシティ・チーフスを下してスーパーボウルを制覇。ブレイディは5度目のMVPとなった」と報じた。
アメリカで偉大なスター選手を評価する時にしばしば登場するワードの“G.O.A.T”。そのまま読むとヤギという意味だが、“G.O.A.T”は「Greatest Of All Time」の略で、「歴史上最も偉大な選手」という意味のスラングだ。
「バスケットボールの皇帝」マイケル・ジョーダン、「ゴルフの皇帝」タイガー・ウッズ、「偉大なホッケープレーヤー」ウェイン・グレツキー、「テニスの女帝」セリーナ・ウィリアムズなど、様々な種目で“G.O.A.T”が存在するが、現在アメリカスポーツで最高の選手は、誰が何と言おうとアメリカンフットボールの“リビング・レジェンド”トム・ブレイディ(43)だろう。
ペイトリオッツ在籍時を含めて自身通算10回目のスーパーボウル出場となったブレイディは、今回の制覇で7回目の優勝と5度目のMVPを受賞。そして最年長優勝や最多スーパーボウル出場、最多優勝回数など、自身が持つ記録をすべて更新した。
2月8日(日本時間)にアメリカのタンパで行われた第55回スーパーボウルは、43歳のブレイディ率いるタンパベイ・バッカニアーズの一方的なゲーム展開となった。最終スコア31-9で、タンパベイ・バッカニアーズが通算2度目のスーパーボウル優勝を果たしている。
試合前の予想では、昨シーズンMVPのQBパトリック・マホームズ(25)率いるディフェンディング・チャンピオン、カンザスシティ・チーフスが優勢だとされていたが、ブレイディの熟練したスキルの前にあえなく敗北することとなった。
スーパーボウル連覇を狙うチーフスは、マホームズがバッカニアーズディフェンスにパスを封じ込まれ、結局最後まで1本もタッチダウンを奪えないという衝撃の結末となった。
マホームズとは対照的にこの日のブレイディは、29回中21回のパスを成功させ、201ヤードと3つのタッチダウンを獲得。昨シーズン7勝9敗だったバッカニアーズを見事に蘇生させ、レギュラーシーズンを通して“G.O.A.T”と呼ばれるにふさわしい活躍を見せてきた。
スーパーボウルを中継したCBSアナウンサーのジム・ナンスはブレイディを「レジェンド・オブ・レジェンド」と評した。そして「ブレイディのミッションはまだ終わっていない」と付け加え、2021年8月に44歳を迎えるブレイディにさらなる期待を寄せた。
ブレイディもその期待に応えるよう、試合後のインタビューでは来シーズンの現役続行を宣言し、世界中のNFLファンを沸かせた。
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