蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)指揮官就任で3年7か月ぶりに現場復帰するホン・ミョンボ監督のデビューは、国内ではなく国際舞台となる。
蔚山現代は昨月まで行われたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で8年ぶりに優勝し、来る2月にカタール・ドーハで行われるFIFAクラブワールドカップ出場権を手にした。
クラブW杯には6大陸の王者と開催国王者の計7チームが出場する。
蔚山現代以外で参加が確定しているチームは、欧州王者のバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、アフリカ王者のアル・アハリ(エジプト)、北中米カリブ王者のティグレス(メキシコ)、オセアニア王者のオークランド・シティ(ニュージーランド)、そして開催国王者のアル・ドゥイハル(カタール)だ。残る南米王者は、来る1月30日に終了するコパ・リベルタドーレスで決定する。
栄光の舞台とはいえ、ホン・ミョンボ新監督体制でチーム再編に突入した蔚山現代の悩みは深い。
当初、クラブW杯は昨年12月の開催を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により延期を余儀なくされた。
蔚山現代としては、カタール遠征を終えて帰国後、2週間の自主隔離期間を過ごさなければならない。そのため、3月初旬に予定しているKリーグ1の2021シーズン開幕に向けても混乱が生じざるを得ない。
蔚山現代の選手たちはACLを終えて韓国に帰国後、2週間の自主隔離を行い、1月3日午前0時を基準に解除された。ACLを戦った選手やスタッフはいずれも健康な状態だが、1カ月間の集中開催や帰国後の隔離期間で精神的な疲労も大きい。
ホン・ミョンボ監督は7日にクラブハウスで選手たちと顔合わせする予定だが、他チームと違って直ちに練習には突入しない。
蔚山現代の関係者は「選手たちは昨年、あまりに長いシーズンを送った。オフの期間に家族や友人と会い、肉体的、精神的にリフレッシュしなければならないが、隔離生活によってそれができなかった」とし、「ホン・ミョンボ監督は数日だけでも選手たちにヒーリングしてほしかった」と説明した。
来る13日から慶尚南道(キョンサンナムド)の統営(トンヨン)で冬季合宿に突入する蔚山現代だが、新監督体制でディテールを深めるには余裕がない。
蔚山現代はクラブW杯出場のため、25~26日ごろに練習を終了し、短い休息を取った後、29日にカタール行きの飛行機に乗る予定だ。
問題はクラブW杯終了の日程を終えてからだ。
仮に6強で脱落し、5位決定戦を行うなど最小日程で終えると考えても、蔚山現代の帰国日は来月8日となる。決勝戦まで進んだ場合は12日に韓国の地を踏む。以降、2週間の隔離を行うため、最長2月25日までは活動が中止されるわけだ。
蔚山現代の関係者は「具体的な競技日程が発表されたわけではないが、隔離以後、コンディションを取り戻す期間が必要だ。リーグが3月初めに開幕すれば、準備期間が1週間しかないため、負傷などの懸念要素がある」と語った。
隔離期間さえなければ、クラブW杯はシーズン開幕前に経験を積める良い実戦の機会となる。だが、現時点ではネガティブな影響が大きい可能性があるという話だ。
韓国プロサッカー連盟は1月の第2週目か第3週目に確定日程を発表する予定だ。関係者は「蔚山現代がクラブW杯で勝ち進むことを前提に、帰国後の練習期間をある程度保障する線で日程を組む」と語った。
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