8年ぶりのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に挑む蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)。
来る12月19日午後9時(日本時間)に行われる決勝戦でペルセポリス(イラン)に勝利できれば、“シルバーコレクター”のレッテルを外せると同時に、巨額の賞金も手にすることになる。
現在、蔚山現代はグループステージから決勝トーナメント準決勝までの9試合で8勝1分を記録。参加チームの中で唯一無敗で、カタールでの再開以降は8連勝中だ。9試合で21ゴール、失点はわずかに「6」と、攻守両面で実力が際立つ。
そんな蔚山現代は、国内での直近3シーズン、常に“ナンバー2”のレッテルが付きまとった。
現指揮官のキム・ドフン監督が就任した2017年にはクラブ史上初めてFAカップを制覇したが、以降はKリーグ1(2019年、2020年)とFAカップ(2018年、2020年)でいずれも準優勝2回と、頂点に立てていない。
特に今シーズンは、Kリーグ1とFAカップの両方で優勝をライバルの全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースに奪われ、プライドを大きく傷つけられた。
だが、カタールで再開したACLでは打って変わって好調だ。ともにKリーグ代表で臨んだ全北現代とFCソウルはグループステージで、水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスは準々決勝で脱落した。
蔚山現代は準決勝、水原三星を下したヴィッセル神戸(日本)と延長戦にもつれる死闘の末、2-1で辛勝。Kリーグ勢脱落の雪辱を晴らし、決勝の舞台に進んだ。
チームは去る2012年のACLで無敗(10勝2分)優勝を果たした当時と同じ軌跡を描き、アジアの頂点まであと一歩のところまで来ている。
先立って、国内の2大会(Kリーグ1、FAカップ)準優勝で合計賞金3億ウォン(日本円=約3000万円)を手にしている蔚山現代は、ACL優勝でさらに多くの賞金を得られる。
ACLではグループステージ(6試合)から決勝トーナメント1回戦~準決勝まで、勝利の場合は1試合当たり5万ドル、引き分けの場合は1万ドルのボーナスが与えられる。さらに、決勝トーナメントでは1回戦で10万ドル、準々決勝で15万ドル、準決勝で25万ドルの出場ボーナスもある。
つまり、蔚山現代はここまでの9試合だけですでに91万ドルを稼いでいるのだ。今大会の優勝賞金は400万ドル、準優勝賞金は200万ドルだが、すでに蔚山現代は291万ドルを確保している。
ペルセポリスを下し優勝賞金400万ドルを得られれば、合計獲得賞金は491万ドルと、その規模はさらに大きくなる。
また、ACL優勝チームは来年2月開催予定のFIFAクラブワールドカップも控える。賞金額は確定していないが、昨年基準では優勝賞金は500万ドル、準優勝賞金は400万ドル。また、3~7位チームはそれぞれ250万ドルから50万ドルを分け持つ。
クラブW杯では、ACL優勝チームは開催国王者対オセアニア王者の1回戦の後、2回戦から大会に出場する。
すなわち、蔚山現代はACLを制覇することができれば、クラブW杯では最低6位の座を確保し、100万ドルを追加で得られる。ペルセポリスに勝利できれば、一挙に591万ドルのジャックポットを決められるのだ。
現在、クラブW杯の賞金規模は前回大会よりも25%増額するという話も出ている。
ペルセポリスは、去る11月30日のリーグ戦を最後に、新型コロナウイルス感染症の影響で約3週間も実戦ができていない。また、主力DFショジャー・ハリルザデー(31)がアル・ラーヤンに移籍するなど、戦力も正常ではない。
連戦続きで疲労が溜まっているとはいえ、試合勘は十分の蔚山現代は、果たしてACL決勝でどのような試合展開を見せてくれるだろうか。
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