Kリーグクラブの経営効率化3案(比率型サラリーキャップ、ロースター制度、勝利手当の上限)が議決された12月15日の韓国プロサッカー連盟2020年第8次理事会では、これまで混乱を招いていた選手規定も改正された。
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なかでも目を引いたのは、既存の外国人クォーターに含まれなかった“在日コリアン”選手の概念を正したものだ。
Kリーグは去る2000年に城南一和(現・城南FC)に入団したパク・カンジョ(現・ヴィッセル神戸スクールコーチ)を皮切りに、複数の在日コリアン選手が門を叩いた。パク・カンジョがKリーグ入りした当時、韓国プロサッカー連盟は「在外国民2世は国内選手とみなす」という規定を新設した。
翌2001年には、リャン・ギュサ(現・ファジアーノ岡山コーチ)が北朝鮮国籍選手としては初めて、蔚山現代加入を通じてKリーグの舞台を踏んだ。当時は政府の訪問証明書発給により韓国行きの道が開かれ、韓国プロサッカー連盟は同じく在外国民2世と認めていた。
その後、北朝鮮代表やJリーグで活躍したアン・ヨンハッ(2006~2007年:釜山アイパーク、2008~2009年:水原三星ブルーウィングス)やチョン・テセ(2013~2015年:水原三星)もKリーグに参戦し、韓国の舞台で大きな足跡を残した。
そして今シーズンは、在日コリアン3世のアン・ビョンジュン(30、水原FC)が、Kリーグ2(2部)で得点王(21ゴール)とベストイレブンに選ばれる活躍を披露。北朝鮮代表出身選手として初めて最優秀選手(シーズンMVP)に輝いた。
ただ、彼ら在日コリアン選手の存在感が外国人選手と同程度に大きくなったことから、身分の解釈をめぐるさまざまな意見交換もなされた。
まず、リーグの選手規定が法的身分と異なることが主な争点となった。
在日コリアン2世、3世の中には、韓国籍を取得した者もいれば朝鮮籍を取得した者もいる。朝鮮籍とは、1945年の終戦後、1947年に駐日米軍が在日コリアンへ外国人登録制度の便宜上作って与えた臨時国籍だ。現在、このうち韓国や日本国籍を取得していない者が該当する。朝鮮籍は、日本の法律上では「無国籍」とされている。
チョン・テセは韓国籍を取得した選手である一方、アン・ヨンハッとアン・ビョンジュンは朝鮮籍を保有している。
これまでのKリーグ選手規定によると、在日コリアンの具体的な身分を考慮せず、「大韓民国国籍を保有する在外国民選手は国内選手とみなす」という規定だけを適用していた。韓国の憲法上では北朝鮮の住民も大韓民国の国民と考えられているため、アン・ヨンハッやアン・ビョンジュンのような朝鮮籍の選手も、大韓民国の国民と解釈されていた。
だが、韓国プロサッカー連盟は、実質的にアン・ヨンハッやアン・ビョンジュンのような事例は大韓民国の国籍を保有していない点を考慮し、彼らを包括する細部規定づくりが必要だと考えた。
韓国プロサッカー連盟の法務チームは、憲法上、大韓民国の国民とみなす事例を詳細に並べ、改正作業を進めた。さまざまな事例を多角的に分析し、法令を参考に選手規定の改正に乗り出した。
そして今回の理事会で、Kリーグ22クラブの合意を通じて議決された。
今回の理事会では▲外国人クォーターに含まれない選手定義を、従来の「大韓民国国籍を保有する在外国民選手」から、「北朝鮮離脱住民」、「北朝鮮住民のうち南北交流協力法に基づく韓国訪問証明書の発給を受けた者」、「大韓民国パスポートを所持しない外国居住同胞で、南北交流協力法による旅行証明書の発給を受けた者」などに細分化した。
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