2度のVARで疑惑の判定も…蔚山現代がヴィッセル神戸との死闘制し、8年ぶりにACL決勝へ

2020年12月14日 サッカー #ACL
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8年ぶりのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)制覇に挑む蔚山現代FC(韓国)が、12月13日の準決勝でヴィッセル神戸(日本)と対戦。延長にもつれ込む死闘の末、決勝進出を決めた。

蔚山現代はACLの舞台で破竹の8連勝を飾り、東アジア地区優勝を果たした。来る12月19日には西アジア代表のペルセポリスFC(イラン)との決勝に臨む。

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序盤から緊迫した試合展開

両チームは試合序盤、一進一退の攻防を繰り広げた。前半は蔚山現代が60%ものポゼッション率で試合をリードしていたが、神戸はしっかりとDFラインを構築し、鋭いカウンターで応戦した。

前半3分、蔚山現代はコーナーキックのセカンドボールにイ・チョンヨン(32)がシュートを放つも、惜しくもゴールポストを外れた。その5分後には、チョン・ドンホ(30)の右からのクロスをジュニオール・ネグラン(33)が合わせるも、またもゴールポストに嫌われた。

(写真=韓国プロサッカー連盟)蔚山現代のキム・インソン(中央)

勢いに乗りたい神戸は前半13分、FWドウグラスが蔚山DFの混乱に乗じてボールを奪い取ったあと、ゴール前まで持ち込み左足でシュートを放ったが、MFユン・ビッカラム(30)が体を張って阻止した。

蔚山現代はほかにも2回の決定的なチャンスを迎えたが、神戸GK前川黛也(26)のファインセーブとシュートミスで先制点を挙げられず、前半を終えた。

前半をスコアレスで終えた蔚山現代のキム・ドフン監督は、後半開始とともにMFコ・ミョンジン(32)を下げ、かつてJリーグでも活躍したFWイ・グノ(35)を投入。ベテランの投入で攻撃に変化を加えようとした。

前半、守勢に回る時間帯が長かった神戸は、後半開始から反撃に転じて猛攻を仕掛けた。

そして後半7分に訪れた神戸のチャンス。MF安井拓也(22)が蹴ったグラウンダーのコーナーキックを、走り込んだMF山口蛍(30)がダイレクトで合わせて先制。神戸がデザインされたセットプレーで機先を制した。

(写真=韓国プロサッカー連盟)ゴールを喜ぶ神戸イレブン

2度にわたるVAR判定で別れた明暗

蔚山現代は失点直後、イ・チョンヨンとチョン・ドンホを下げ、FWのビヨルン・ヨハンセン(29)、サイドアタッカーのMFキム・テファン(31)を投入し、反撃に打って出た。

先制した神戸の人数をかけた守りに対して、蔚山現代はサイドからも中央からも突破口を見出せず、敵陣でのビルドアップに苦戦していた。

さらに蔚山現代は後半17分、左サイドバックのパク・チュホ(33)に代えて、積極的な攻撃参加と制度の高いクロスが持ち味のDFホン・チョル(30)を投入。サイドからの攻撃に厚みをもたらしたい蔚山現代は、ヨハンセンの高さ(196cm)を活かしたパワープレーに活路を見出そうとした。

後半24分、シン・ジンホ(32)のロングパスを、ペナルティーボックス左にいたヨハンセンが頭で落とし、ジュニオール・ネグランがシュートを放つも、現役ベルギー代表DFトーマス・フェルマーレン(35)に阻まれた。

後半30分には神戸のカウンターでFW佐々木大樹(21)に追加ゴールを奪われたかに見えたが、 VARによる判定で取り消される場面もあった。

そしてピンチ後に最大のチャンスが訪れた。後半35分にFWキム・インソン(31)のパスを受けたユン・ビッカラムが、ペナルティーアーク付近からシュートを放った。なんとそのシュートがヨハンセンに当たり、神戸ゴールに吸い込まれた。

ゴール直後はキム・インソンのオフサイド疑惑でVARでの確認が行われたが、主審は得点を認め、勝負は振り出しに戻った。

(写真=韓国プロサッカー連盟)同点ゴールを挙げた蔚山現代FWヨハンセン(青19番)

両チームとも死力を尽くしたが…

同点後、両チームともに勝ち越しゴールを奪おうと攻め込んだが得点は生まれず、延長までもつれ込んだ。

しかし、2試合連続での延長戦となった神戸は、延長に入ると目に見えて運動量が落ちていた。延長前半12分にはDFホン・チョルの左クロスをヨハンセンが頭で合わせるも、三度GK前川に抑えられ、蔚山現代の逆転ゴールは生まれなかった。

延長後半開始から40秒後、さすがに集中力が切れてきたのか蔚山DFのミスからドウグラスがGKチョ・スヒョクと一騎打ちを迎えるも、蔚山GKチョ・スヒョクも負けじと気迫のセーブを見せ、ゴールを割らせなかった。

PK戦が頭をよぎり始める延長後半12分、ジュニオール・ネグランがPKのチャンスを獲得。このPKをジュニオール・ネグランが落ち着いて決め、劇的な決勝ゴールで決勝進出を決めた。

VARによる判定が2度にわたり行われ、神戸のゴールが取り消しになるなど疑惑も多かった試合だが、東アジア代表として蔚山現代の勝利に期待したいところだ。

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